☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『トランジット』(2013)@東京フィルメックス

2013年11月27日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『トランジット』 Transit / Transit
フィリピン / 2013 / 92分
監督:ハンナ・エスピア(Hannah ESPIA)


【作品解説】
イスラエルのヘルツリヤで働くフィリピン人労働者モイゼスが息子の4歳の誕生日を祝うためにテルアビブのアパートに戻ってくる。その日、モイゼスと隣人のフィリピン人女性ジャネットは、イスラエル政府の移民政策の変更により、外国人労働者の子供たちが強制送還されることになったことを知る。モイゼスとジャネットはそれぞれの子供たちの存在を隠そうと画策するが......。フィリピンのインディー映画の登竜門として知られるシネマラヤ映画祭で最優秀作品賞を初めとする数々の賞に輝いたハンナ・エスピアの監督デビュー作『トランジット』は、イスラエルの外国人労働者という興味深い題材にスポットを当てた作品だ。俳優たちの演技のアンサンブルも見事である。 (フィルメックス公式サイトより)

【感想レビュー】@theater
これはとても面白かったです!

もちろん、ストーリー自体は深刻なテーマがモチーフですし、観ていて辛い瞬間もシーンも多々ありました。

でも、作品の終点がある程度分かる内容がテーマなのですが、観せ方が斬新過ぎて、飽きさせない造りだったのです

初めは、時間軸が何度も戻るので、不思議でした。
戻る度に、ちょっとずつ違う角度から、そして台詞も付いたり付かなかったり?で。

それを重ねる度に、だんだん登場人物のそれぞれの心の動きが深度を増していき、作品自体もより深みを増していくようでした。

そんな斬新な造りなのに、登場人物たちは、とっても人間味があって、逆にその温度が浮き彫りになるというか…

そういう意味で面白かったのです‼

そして、やっぱり映画を通して、イスラエルの今を知る事ができました。

それがほんの一部であっても、繋がっている事がたくさんあると思うので、観て本当に良かったです


Q&Aで、監督のお話しが聞けました。

中でも、一番気になっていた、多角的な視点について聞いて下さった方がいて、とっても嬉しかったです

質問の内容は、確かこんなでした。
同じ場面を、登場人物それぞれの視点から捉えて編集していた事について。

これについては、監督、確かこのように仰っておられました。

一番始めはオーソドックスに時間軸通りに脚本を書いた。
それは、スタッフが混乱しない為でもあった。
でも、監督をする前は、自分は編集をやっていたので、常に新しい編集の手法を模索している。
それで、こういう形になったとの事でした。

常時カメラを、一つのシーンでも、4~5台(5~6台?←細かい数字は忘れてしまいました)回していたので、編集するに当たって、部品はたくさんあったとの事でした。


Q&Aは、とっても興味深くて、楽しいです





『大人の見る繪本 生れてはみたけれど 』(1932)

2013年11月27日 | 邦画(クラシック)
『大人の見る繪本 生れてはみたけれど 』(1932)

小津安二郎監督、斎藤達雄さん、吉川満子さん、菅原秀雄さん、突貫小僧さん、坂本武さん出演。




【STORY】
当時急激に増加した東京郊外に住むサラリーマンの生態を子供の目から風刺した喜劇。

1932年の松竹蒲田撮影所製作の日本映画。小津作品の特徴である、フェードイン・フェードアウトを使わずに固定したカットをつなぐ場面展開は本作品によって決定付けられた。(Wikipediaより)

【感想レビュー】
まさか自宅でサイレント映画を観る日が来るとは…
しかも小津作品の戦前の作品を観るのは初めてです。

サイレント映画自体を観るのは、初めてではありませんが、台詞の音が無いだけで、風や日常の物音、動物の鳴き声などが入っている作品だったので、全くのサイレントを観るのは初めてだと思います。

たまに台詞が画面いっぱいに出るので、設定もストーリーの展開も分かりやすかったです。

音が無い分、画面の隅々まで情報を拾おうとするので、集中を強いられますが、途中でもっと楽に観よう´д` ;と思い始めた頃に、なんと、なんと、ジャイアンみたいな少年が‼

もう夢中で観ました
面白かったです

空き地に、ジャイアンみたいなガキ大将と、性格の良さそうなスネ夫と、鼻垂れ小僧たち

小学生の子ども達の小競り合いが、面白くて可愛いかったです

またその小競り合いが、ちょっとブラックだったりして

父親に対しても、とことん追い詰めるのですが…、子どもって残酷な事を平気でするし、言うからなぁなどと、思いながら観ました。

同級生に対してや親に対して、子ども時分に窮地に立った経験は、誰にでもあるはずですから、共感しやすいです


スクリーンで観たい欲求が日に日に高まってきているので、特集に行こうかと思います