「日本は人口を減らさなければならない」と強調されていた

今、周知のように「少子高齢化」問題がさかんに叫ばれている。
しかし鬼頭宏さんという歴史人口学者の「2100年、人口3分の1の日本」という書を見ると、かつて日本では人口増加を危惧する声が非常に大きく、人口減の必要性が叫ばれていたことがわかる。

1974(昭和49)年7月2日から4日までの3日間、東京国立教育会館虎ノ門ホールで「第1回人口会議」が開かれた。この会議の趣旨は日本は人間が増えすぎる、これをおさえないと大変なことになる、ということのようだった。
そしてこの会議は「人口爆発」を警戒し、この抑制を進めなければならないことを国民に訴えた。誰がそのメンバーだったかは調べて欲しい。少なくとも「悪夢だった民主党時代」ではない。

この会議は「日本人口会議大会宣言」を採択した。そのポイントを引用しよう。

・ 日本をこれ以上の破壊から守るように全国民が一大決意をもって努力しなければならない。食糧、資源、環境などどれをとっても人口問題と関連している。
・ 人口は毎年ほぼ130万人増えている。このままいくと50年度には1億4千万になる。
・ 節度ある、しかも効果的な対策が必要。
・ 「子どもは2人まで」を国民的合意を得るように努力すべき。
・ これを実現するために学校、マスコミなどを通じて人口教育を促進する。
・ ピル(経口避妊薬)などの公認と新しい避妊法の研究促進。

 この方針をもって、日本は世界各方面で主張した。「子どもは2人まで」は感覚的反発はあったが、人口教育効果は大いにあがったといってよい、と自己評価している。

 そのせいか、その後の日本は周知のように人口減少が進み、しかも高齢者は寿命が長くなって、少子高齢日本がどんどん進んでいる。
 予想よりもその効果は大きかったといえるのだろうか。
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