明治期の北海道開拓のようす(小説「続お登勢」)

20日のこのサイトで「お登勢」について簡単に紹介したが、角川文庫で約500ページの2冊を読了した。「読書」の醍醐味を満喫したという気持ち。

淡路の領主稲田家は討幕波だったが、明治維新の動乱期に北海道に移住させられる。そして記したように想像を絶する苦闘の中で、主人公お登勢は懸命に生きる。
小説の中に、維新時の権勢をになった薩長のボスたちのあくなき権謀術数の中で常に希望を捨てず生き抜くお登勢と静内地区に暮らす人たちの生き様、アメリカから来たエドウイン・ダンの牧畜、また札幌農学校の前身「開拓使学校」のこと、そして西南戦争。

歴史的事実をしっかりふまえ、それを軸にして壮大なロマンを組み合わせる小説の展開。面白いというかある種の歴史学習でもあった。

それにしても明治の初期、北海道が、中央の薩長の権力者たちからどういう扱いをうけていたか、歴史の裏面が描き出されて実に教訓が大きい。

エドウイン・ダン記念館にも先日行ってきた。南区の真駒内にある会館だが、あまり著名ではないが、明治期外国からやってきたダンという人のことなども改めてもっと評価されてしかるべきではないか、と思ったりした。

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