２０年度からの教育改革ー「英会話力」？

私たちの高校で数年前まで英語を担当していた先生が、この４月から道東の小さな町の小学校で英語を教える仕事に就くことになったという。
この４月からの教育改革での大きな特徴は小学校からの英語教育を確立することなのだとか。

グローバル化が進む中で、世界に通じる日本人を育成しなければならない、そのために小学校３，４年生ころからしっかり英語（使える英語とか）を身につけてもらおうというわけだ。

このテの教育改革はこれまで言葉を変えていろいろ言われてきた。問題解決学習、ゆとり教育、生きる力、アクティブラーニング、など。

私はこの役に立つ英語の力を育てる、といった理念に少々疑問だ。要するに外国人と堂々と自分の考えやさまざまな状況を説明したり主張したりできる力をつけることが大事だ、それがこれからの日本の重要な人間力だ、といったことなのだろうが。

大切なことは国語の力をしっかりつけることがまず大前提なのではないか、とこれまでの自分の人生を通しても実感する。

外国語を話す必要ができたときに、本気で勉強すればいい、英語を読んでさしあたり必要なことを理解する力があれば、もし会話力がどうしても必要であればそのときに勉強すれば役に立つのではないか、と思うのだがダメなのかな。日本に来る外国人が必要な日本語を身につけてくるのではないか。私たちが外国に行くときも同じだ。

自分の意見も言えず、しっかりした主張をすることもできない人が外国語を多少話せてどういう意味をもつのだろう。

最近、外国語になおして語ることができるポケット器具ができているようだ。こういう事態がどんどん進んでいく社会で教育の本筋は何なのだろう、とおちついて考えることも大切なのではないかと思うのだが。