高齢者がカネを使わないわけと使うようにするために

昨日の「デフレの正体-経済は『人口の波』で動く」にあるヒントから。
内需を拡大するためには、高齢者がカネを使うように仕向けること、若者の所得を増大させること、そして女性の就労と経営参加を増やすこと、が必要と藻谷さんはいう。ちょっと「高齢者」に関するテーマについて。
ごく一部の高齢者ではあるが巨額の死蔵金を有していることは昨日記したことと、同書を見てもらいたいのだが、総じて高齢者たちは比較的裕福だとされる。(そうばかりでもないが)。そしてあまりカネを使わない。なぜか、将来が不安だから。病気が長引けば医療費はどうなるか、という不安。老後の暮らしもとにかくカネが要る、そのための備え。そういうことから使いたくても使えない。そして使わない死蔵金を残して死ぬ。この遺産を受け継ぐ子どもはすでに高齢者。そして同じように使わない、使えない状態が続く。こうして世の中の消費が増えず内需は冷え込んだまま。

だから医療費不安や老後不安がなくなれば、誰もが安心してカネを使えるのだ。今はまさに負のスパイラルの状況が続いている。
最近好調の任天堂、ユニクロ、東京ディズニーリゾートなどの共通点は、高齢者も若者同様に買い求める商品、すなわちWiiやヒートテック、東京ディズニーシーを開発したことだという。いずれも高齢者でも使いやすい、楽しみやすい仕様になっているにもかかわらず年寄り臭さがないのだそうだ。
高齢者市場が拡大しうる分野はまだ無数にある。彼らが中心に保有している日本人の金融資産の1%、14兆円が市場に出回れば、日本経済は大きな刺激を受けることになる。オレオレ詐欺だけがこの市場を開拓させておくというのはあまりにも惜しい。
これは藻谷さんの記述だ。政界財界の人たち、広い視野で長期的な展望をもって臨んでもらいたいものだ。

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