芭蕉の「奥の細道」冒頭の文

先日記したが、9日から9日間のクルーズの旅に出る。「旅」の出発といえば、江戸時代の俳人、松尾芭蕉の「奥の細道」の冒頭の文を思い出す。非文学的であり、私的言い直し文て記すと、次のような書き出しだ。

他人の旅をヘルプするために船を操作したり馬を扱ったりしている人たちは言うまでもなく旅をすみかとしているといっていい。かくいう私も、ちぎれ雲が風に誘われてあちこちをただよっているという空をみるにつけても、「旅」で出たいという気持ちが高じて、旅の神が自分に乗り移ったのではというような気がしてしかたがない今日の心持ちだ。

私は、もちろんそれほど旅をもって自分の人生としたいというような気分をもっているわけではない。芭蕉という人はスゴイとしみじみ思う。

彼は1644年に生まれている。1694年に亡くなっているのだが、45歳の年に東北に向かう旅に出ている(「奥の細道」)。約5か月間、ひたすら歩く。曽良という弟子というかパートナーといってもいい人と二人で。距離は2400キロ(約600里)なのだとか。

道路も今のようではないし、履き物も藁でつくった草履のようなもの、弁当は? 途中の泊まるところは(各地に弟子がいたとはいっても)? など気になることは無限だ。

それと比べて今の旅は比較にはなるまい。旅というもおこがましい船の旅を体験する。

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