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日記 … Kametarou Blog
渡辺淳一文学館
珍しくといっていいような快晴の「文化の日」。紅葉を見るために札幌中島公園に行った。たくさんのカメラマンや紅葉狩の人がいる。公園の池に映える多彩な紅葉の美しさに、感動する。自然がつくる造形の美、などという月並みの表現しか出ない。
北海道近代文学館とともに、中島公園に接するところにある「渡辺淳一文学館」を見学。渡辺淳一という札幌出身の作家と出会ったのは、もう30年近く前になるだろうか、「花埋み」という小説だった。日本最初の女医の荻野吟子の生涯を描いたものだった。それ以降少なからず読んできた。
渡辺淳一の経歴にかかわる展示や、作品をゲラとか原稿なども展示され、興味深かった。帰宅後、最近作である「天上紅蓮」を読みたいと思い、札幌中央図書館に貸し出しを依頼したが、10冊以上の蔵書もすべて貸し出し中でいつ順番になるか分からないぐらいの予約である。
ところがこの文学館は正確に言うと「エリエールスクエア札幌 渡辺淳一文学館」である。小さな文字で「大王製紙」とあって気がついた。あのエリエールをつくっている会社がこの文学館を運営しており、この会社の井川意高(もとたか)というまだ50歳前の若い前会長が110億円近いカネを私的に動かしたということを。
この文学館も同社のいわば社会貢献事業の一つなのだろうが、それはそれで立派なことだが、昨年5月から今年9月までに合計26回、106億8千万円をポケットしたという桁違いの規模の大きさに驚く。
渡辺文学にシミが浮かびそうな錯覚に陥る。
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