亡くなった母に、
「不動産の遺産は放棄して」と頼まれていた。
以前は、私にも、高知市内にある貸家を一軒くれることになっていた。
が、亡兄には男の子が三人いるので、不動産は全部放棄するように言われたのは、
ここ十年くらい前のことだった。
私も、そうするつもりだった。
が、ここに来て、少し考えが変わった。
放棄してしまうと、
実家にも帰りにくくなる。
兄が生きていればまだしも、
甥の名義になると、
帰省のたびに、実家に気を遣わなければならなくなる。
それはいやだ。
現在の実家には、
私が娘時代に使っていた部屋も残っている。
その部屋は
私は疾うに嫁いでいたから、
甥たちが使ったりして、私の持ち物は処分されてしまっているけれども、
一応、私の部屋だった名残りの部屋である。
しかし、実家の名義が甥になると、
そんなことを言うのもはばかられるようになる。
そこで考えた。
何も急いで名義変更する必要はないのではないか。
実際、実家の名義は、現在、亡父、亡母、亡兄の三人になっているらしい。
それなら、私が死ぬまで、そのままにしておいてもいいではないか。
私は、実家を自分のものにするために、そう言っているのではない。
故郷を失いたくないから、そうしたいだけのことだ。
だから、私が死んだら、私の夫や子供達には、放棄してもらう。
そして、私の持ち分は兄嫁に贈与しようと思う。
兄嫁は、母が生前、世話になるからと、兄にかけてあった生命保険の
受取人を兄嫁にしてあったから、保険金は手に入れている。
が、現在、住んでいる私の実家は、現行の法律では相続できない。
母の孫であり、義姉の息子達である、甥たちに直接相続されてしまう。
甥は、すでに結婚して子供もいる。
そうなると、いくら親が大事といっても、妻子の立場も考えるようになる。
そうなったとき、相続できない兄嫁の立場は弱くなる。
そのことを忖度して、私は、私の遺産の取り分を兄嫁に贈与しようかと。
兄嫁は私より5歳若いし健康だから、私より先に死ぬことはないだろう。
兄嫁は、私の生存中は、自分のものにできなくても、
私の死後、贈与されることが約されていたら、立場が安泰だろう。
私は、いま、そんなことを考えている。
義姉が私の母の世話を十分にしてくれたとは決して思っていないが、
それでも、長年嫁として、母と同じ建物に暮らしてくれたから。
★義理なれど姉妹の立場でありぬれば姉を思ひて贈与はなさむ
★母よりも兄が先立つ不孝にて義姉の取り分飛ばされ甥に
私の母も、自分の実家をその甥たち(私の従弟たち)のために放棄したが、
しかし、義理叔母のことを思えば、そうしないで、
いったん自分が相続しておいて、
義理叔母さんに贈与したほうがよかったかもしれない。
義理叔母さんは祖父母の最期の世話をしてくれたのだから。
★親よりも先立つ不孝おやよりも嫁に影響与へる仕組み
★そのために義叔母その子の嫁よりも立場が弱くありぬるあはれ
「不動産の遺産は放棄して」と頼まれていた。
以前は、私にも、高知市内にある貸家を一軒くれることになっていた。
が、亡兄には男の子が三人いるので、不動産は全部放棄するように言われたのは、
ここ十年くらい前のことだった。
私も、そうするつもりだった。
が、ここに来て、少し考えが変わった。
放棄してしまうと、
実家にも帰りにくくなる。
兄が生きていればまだしも、
甥の名義になると、
帰省のたびに、実家に気を遣わなければならなくなる。
それはいやだ。
現在の実家には、
私が娘時代に使っていた部屋も残っている。
その部屋は
私は疾うに嫁いでいたから、
甥たちが使ったりして、私の持ち物は処分されてしまっているけれども、
一応、私の部屋だった名残りの部屋である。
しかし、実家の名義が甥になると、
そんなことを言うのもはばかられるようになる。
そこで考えた。
何も急いで名義変更する必要はないのではないか。
実際、実家の名義は、現在、亡父、亡母、亡兄の三人になっているらしい。
それなら、私が死ぬまで、そのままにしておいてもいいではないか。
私は、実家を自分のものにするために、そう言っているのではない。
故郷を失いたくないから、そうしたいだけのことだ。
だから、私が死んだら、私の夫や子供達には、放棄してもらう。
そして、私の持ち分は兄嫁に贈与しようと思う。
兄嫁は、母が生前、世話になるからと、兄にかけてあった生命保険の
受取人を兄嫁にしてあったから、保険金は手に入れている。
が、現在、住んでいる私の実家は、現行の法律では相続できない。
母の孫であり、義姉の息子達である、甥たちに直接相続されてしまう。
甥は、すでに結婚して子供もいる。
そうなると、いくら親が大事といっても、妻子の立場も考えるようになる。
そうなったとき、相続できない兄嫁の立場は弱くなる。
そのことを忖度して、私は、私の遺産の取り分を兄嫁に贈与しようかと。
兄嫁は私より5歳若いし健康だから、私より先に死ぬことはないだろう。
兄嫁は、私の生存中は、自分のものにできなくても、
私の死後、贈与されることが約されていたら、立場が安泰だろう。
私は、いま、そんなことを考えている。
義姉が私の母の世話を十分にしてくれたとは決して思っていないが、
それでも、長年嫁として、母と同じ建物に暮らしてくれたから。
★義理なれど姉妹の立場でありぬれば姉を思ひて贈与はなさむ
★母よりも兄が先立つ不孝にて義姉の取り分飛ばされ甥に
私の母も、自分の実家をその甥たち(私の従弟たち)のために放棄したが、
しかし、義理叔母のことを思えば、そうしないで、
いったん自分が相続しておいて、
義理叔母さんに贈与したほうがよかったかもしれない。
義理叔母さんは祖父母の最期の世話をしてくれたのだから。
★親よりも先立つ不孝おやよりも嫁に影響与へる仕組み
★そのために義叔母その子の嫁よりも立場が弱くありぬるあはれ