超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

シャンプーから発癌性物質が生成される?

2010年05月04日 06時21分32秒 | 健康・病気
 安全なはずのシャンプーが、発癌(がん)性物質の生成につながる恐れがあることが新たな研究で明らかになった。

 アメリカの下水処理場で調査したところ、シャンプーをはじめとする家庭用製品が浄水処理過程で使用される消毒剤と反応して、ニトロソアミンという発癌性物質を生成することがわかった。ニトロソアミンはほとんど研究が進んでおらず、この物質が回り回って水道水に混入することもあり得るという。

 今回の研究でイェール大学チームは、ニトロソアミン類のN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)に注目した。アメリカ環境保護庁(EPA)はNDMAを“ヒトに対しておそらく発癌性がある(Probable human Carcinogen)”化学物質に分類している。

 アメリカの下水処理場で一般的に使用されている消毒剤クロラミン(塩素とアンモニアの化合物)と、家庭用洗剤の化学物質が反応した際に、少量のニトロソアミンが生じる。クロラミンは、最近、アメリカの水道水に用いられるようになった物質である。従来の塩素消毒で生成されるトリハロメタンなどの有害物質が問題になり、EPAが基準を定めて以来、下水処理にも利用されている。

 まだ結論は出ていないが、「新たな問題が浮上したことは確かだ。それも深刻化している。クロラミンによるものだ」と、マサチューセッツ大学アマースト校の環境工学者デイビッド・レックハウ氏は今回の研究を聞いて指摘する。

 ニトロソアミンの発生源は加工肉製品やたばこの煙など多岐にわたるが、水道水に含まれるニトロソアミン誘引物質については長年謎だった。

 しかし、これまでの化粧品の研究から、第四級アミンという物質がニトロソアミン生成の一因である可能性が示唆されていた。家庭用洗剤にも含まれている化合物である。

 ニトロソアミンのさらなる発生源を探すため、研究チームはコネチカット州の下水処理場3カ所で、処理水に含まれる第四級アミンとニトロソアミンを測定し、クロラミンによる処理前後の相対量を解析した。

 また、家庭用製品から無作為に4製品(シャンプー2種類、食器用洗剤、洗濯用洗剤)を選び、ニトロソアミン生成を誘引する化学物質を含んでいるかを調べた。調査対象製品は、米ユニリーバ社製のシャンプー“Suave”(スアーブ)とP&G社製のシャンプー“Pantene”(パンテーン)、同社製の食器用洗剤“DAWN”(ドーン)、洗濯用洗剤“Cheer”(チアー)である。

 調査の結果、ニトロソアミン類の一種NDMAを生成する第四級アミンは、さまざまな製品に大量に使われているため、処理過程で完全に除去されるわけではないことがわかった。

 例えば、下水処理場の1施設あたり80%の住民が調査対象のシャンプー“Suave”を毎日一定量使用すると、処理水に最大3%のニトロソアミンが含まれることになるという。食器用洗剤“DAWN”の場合は“Suave”の約36倍のNDMAを生成する。「Environmental Science & Technology」誌1月19日号に掲載されている。

 洗濯用洗剤“Cheer”やシャンプー“Pantene”など一部の製品では確認されなかった。この結果は暫定的なもので、ニトロソアミンを生成する家庭用製品を特定するものではない。

 今回の研究に携わったイェール大学の化学工学者ウィリアム・ミッチ氏は、第四級アミンは処理課程で除去される場合と、生物学的変化を生じて第三級アミンになるものがあると指摘する。第三級アミンはニトロソアミンをさらに多く発生させる物質である。

「問題はこれらの誘引物質の多くが高分子の有機化合物(ポリマー)であることだ。現在の分析方法ではポリマー濃度の測定には限界があるため、確かなことがわからない」と同氏は言う。ポリマーは基本となる単純な構成単位が繰り返し結合してできた鎖状の分子である。

「だからこの点でも今回の結果は忠告にすぎない。ポリマーの第四級アミンを測定して関連性を示すことはできないからね」。

魚油のオメガ3脂肪酸、頭を良くする効果のほどは?

2010年05月01日 21時53分20秒 | 健康・病気
英国で行われた研究によると、魚油に含まれるオメガ3脂肪酸は、心臓の健康のためには良いが、脳の機能を高める効果はないという。ロンドン大学の研究者らが専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」に発表した。



オメガ3はDHA/EPAとして、いわし、さば等の青魚、サーモンの魚油に多く含まれ、植物性ではα―リノレイン酸としてフラックスオイル(亜麻仁油)、しそ油、 ごま油、胡桃油等に含まれます。EPAとDHAは近似種類で体内ではEPAからDHAがつくられます。この区別は炭素の二重結合の全体数が異なることで区別されています。
双方 ともにその血液を凝固させにくくさせる作用が、血液の流れを改善し、血液の粘度をさげて脳内血管の血栓を防ぐので、脳内血流のスムースな循環や、過労や加齢による 視力の低下を防ぐといわれています。また、これまで数多くの研究が、魚をよく食べる人は精神機能が良好で、認知症になりにくいとの結果を示してきた。

 だが、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究者らは、70歳代の男女748人を対象に2年間かけて行った調査で、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を摂取したグループとしなかったグループに、認識機能の差は確認できなかったとした。 ただ、より長期間にわたり摂取した場合の効果については、可能性を排除していないとしている。

脳梗塞救急、有効薬使用件数に地域差4倍

2010年01月25日 21時22分22秒 | 健康・病気
脳梗塞(こうそく)の救急医療で最も有効な薬剤の使用件数に、都道府県によって最大4倍近い差があることが、端(はし)和夫・新さっぽろ脳神経外科病院名誉院長ら日本脳卒中学会の研究グループの調査で分かった。脳卒中の救急医療体制の地域格差が浮かび上がった形だ。25日発行の同学会誌で論文が掲載される。

薬は、血管に詰まった血の塊(血栓)を溶かす「t―PA」。4割近くの患者が、発症から3か月後にほぼ正常な状態に回復する効果がある。国内では2005年10月に使用が認可された。

 同学会に製薬会社から報告された市販後調査結果によると、認可から08年9月までの3年間のt―PA使用件数は1万4792件。3年間の使用件数を、脳梗塞の危険が高くなる65歳以上の人口10万人当たりで換算すると、最も多いのは香川県の103・6件。最も少ないのは岩手県の27・1件で、3・8倍の開きがあった。全国平均は57・6件。

 t―PAは迅速な投与が必要で、同じ脳卒中でも脳出血、くも膜下出血には使えない。発症から3時間以内に、医師がCT検査などで正確な診断を行って使うことが条件となっている。しかし地域によっては、診断・治療ができる脳外科医や神経内科医が不足していたり、救急隊による患者搬送に時間がかかったりして、せっかくの薬剤が使えないケースが少なくない。

 国立循環器病センター内科脳血管部門の峰松一夫部長は「t―PAの使用件数は、脳卒中の救急医療の水準を示す一つの指標であり、地域格差があってはならない。都道府県は積極的に救急医療体制作りにかかわるべきだ」と話している。

タバコに含まれる驚きの食品

2010年01月23日 23時19分56秒 | 健康・病気
タバコの「マイルドセブン」にココアが入っているーー日本たばこ(JT)の公式ホームページにそんな記載が見つかった、とネットで話題になっている。なぜココアなのだろうか。

JTのホームページにはタバコ各銘柄の「銘柄別主要添加物リスト」があり、「マイルドセブン・スーパーライト」、「マイルドセブン・アクア・メンソール」など「マイルドセブン」シリーズにはココアが含まれている、とある。その他にもハチミツや、プラムエキストラクト果汁も使われている。「セブンスター」にはプルーン果汁、メープルシロップが使われている。

ラム酒やバニラ、ハチミツも使われている
JT広報によれば、添加物としてこうした「食品」が使われるのは、タバコの味や香りを整えるため。タバコは数十種類の葉たばこをブレンドし各銘柄の特徴を出すが、葉たばこの香りや味に独特の「くせ」があり、その「くせ」を消し、より美味しくするために香料が必要になる。ちなみに、味や香りを整えるために使われるのがココア、カンゾウ、糖類など。銘柄の特徴を出すため仕上げに使われるのがメンソール、ラム酒、バニラなどだそうだ。

「たばこと塩の博物館」(東京都渋谷区)によれば、日本に紙巻きタバコ(シガレット)が登場したのが明治時代。フィルターの無い両切りタバコと、吸い口が筒のようになっている口付きタバコだった。それまで日本では、葉タバコをキセルで吸っていた。紙巻きタバコはモダンだと急速に普及したものの、キセルに比べ紙巻きタバコは、葉たばこが口に近いために刺激が強すぎた。当時のアメリカでは味をマイルドにするため葉たばこに砂糖が使われるなどしていた。日本もそれに倣い、タバコをマイルドにするため、日本人好みの味を工夫するため、ココアやハチミツなどを用いるようになったのだろう、と「たばこと塩の博物館」では説明している。

市販された放射性飲料水タンクの恐怖

2010年01月20日 22時15分27秒 | 健康・病気
20世紀初頭に販売されていた放射性飲料水タンク「ラジウム鉱石リバイゲーター(Radium Ore Revigator)」。

 1900年代初頭、アメリカでは放射性物質を組み込んだ陶製の飲料水タンクが一般に販売されていた。健康のために良いという宣伝文句で、当時は爆発的に売れたようだ。

 いまなら放射能の恐ろしさが理解できるだろう。しかし、最新の研究によると、問題はそれだけではなかったことが判明したという。 このタンクの商品名は「ラジウム鉱石リバイゲーター(Radium Ore Revigator)」で、製造元のリバイゲーター社は次のように宣伝していた。「飲み水をこのタンクの中に一晩入れておけば、新鮮な水が本来持っていた成分を復活することができます」。その成分というのが放射能だった。タンクの中で一晩寝かした水は、関節炎の治療から老化防止、胃腸内にたまったガスの排出まで何にでも効くとされていた。

 研究チームのリーダーでアメリカのメリーランド州エミッツバーグにあるマウント・セント・メアリーズ大学の分析化学者マイケル・エプスタイン氏は次のように話す。「現在の常識からすればとんでもない話だが、当時は信じる人が多かった。天然の湧き水には実際に放射性のラドンガスが含まれているからだ。それが安易に拡大解釈され、水を放射能にさらせば有機的な滋養強壮剤になるという発想に至ったわけだ」。20世紀初頭、リバイゲーターはアメリカ全土で数十万個売れたという。

「残念ながら、当時の人たちは間違っていた」とエプスタイン氏は話す。 1930年代に入ると科学が発展し、放射能曝露が体内細胞の破壊、そして癌(がん)の原因となることがわかってきた。

 ただし、エプスタイン氏の研究チームは、鉱石から出る放射能の直接的影響だけではなく、放射能による水質変化を通じてどれほどの危険がもたらされていたのかという点にも注目した。

 調査の結果、タンクの内側を覆うウラン鉱石から、ヒ素や鉛といった毒性物質が驚くほど大量に飲み水の中に放出されていたことが判明した。ヒ素も発癌性があり、鉛は神経系や泌尿器系、生殖器系に対して深刻な被害をもたらす物質である。

 エプスタイン氏の研究チームは、調査のために古美術店やネットオークションサイトeBayを通じて4器のリバイゲーターを購入した。陶製タンクは現在でも1900年代初頭と変わらぬ量の放射能を放出している。ウラン鉱石には高放射性の金属ラジウムが含まれており、そのラジウムは崩壊するとラドンガスになる。

 研究チームはまず、ガイガーカウンター(放射線量計測器)を用いて、タンクが放出するラドンガスの放射線量を測定した。そのレベルは一般人の平均曝露量を上回っていたが、死に至る危険性は比較的低いものであった。

 チームは次に質量分析計という非常に高精度の装置を用いて、ラドンが溶け込んだ水に含まれる毒性物質の濃度を分析した。その結果、「目覚めの1杯、寝間着で1杯、のどが渇けばリバイゲーター」という宣伝文句を鵜呑みにしていると、現在アメリカ環境保護庁(EPA)が健康を損なわない水準として勧告する放射能の曝露レベルを大幅に上回ることが判明した。

 例えば、EPAが規定するウラン曝露の最大レベルは0.030ppb(ppb=10億分の1)だが、ある容器は最大0.056ppbのウランを放出していた。また、ワインや果汁といった酸性の飲料をわずかでもタンクに加えた場合、EPAが勧告する最大摂取量の300倍以上のヒ素が検出された。

「リバイゲーターの購入者が平均より病気がちだったというデータは存在しない。20世紀初頭では、たくさんの病気がきちんと解明されておらず命を落とす人が大勢いたからだ」とエプスタイン氏は話す。

「リバイゲーターはある意味で教訓となる存在だ。現在、ネット上では通常の医薬品とは異なるさまざまな“健康商品”が販売されているが、中には危険が潜んでいると教えてくれる。世界は何も変わっていない。どの時代でも私たちは良い暮らしを目指して行動するが、時には間違った選択をしてしまう」。

BPAは有害、米医薬品局が懸念表明

2010年01月19日 19時57分28秒 | 健康・病気
 多くのプラスチック製品に使用されている化学物質ビスフェノールA(BPA)に心臓病との関連のあることが確認されたとする研究が発表された。BPAは、ごく一般的に使用されているため、多くの人の体内に日常的に取り込まれている。

 この研究の発表に伴いアメリカ食品医薬品局(FDA)は1月15日、BPAが胎児や乳幼児に与える影響を懸念しているとの見解を発表し、今後の研究でBPAの人体への影響が明らかになるまでBPA使用製品の使用を控えるように消費者に呼びかけた。これまでFDAは、少量のBPAならば安全だと主張していた。

 BPAはプラスチック製消費財に広く使われており、特にサングラス、リサイクル可能ボトル、食品包材、哺乳瓶などのポリカーボネート製プラスチック製品に含まれている。また、缶詰の内側のコーティング剤としても利用される。

 今回、アメリカ人の成人についてサンプル調査を行ったところ、尿に含まれるBPAの濃度が最も高いグループが冠状動脈性心疾患を発症する可能性は、BPA濃度が最も低いグループの2倍以上に達することがわかった。

 イギリスのエクセター大学の生態毒性学者タマラ・ギャロウェイ氏は、「今回の結果は同じ主題で2008年に行われた調査とほぼ完全に合致している。何かが起きたのが1回だけなら興味深いという程度のことだ。しかし別々の集団で同じ結果が2度現れたら、それが偶然の産物ではないことを強力に示唆していることになる」と話す。

 ミズーリ大学コロンビア校でBPAを研究しているフレデリック・フォム・サール氏も、2008年と今回の2組のデータは説得力があり再現性があると考えている。再現性が認められることこそ、何らかの科学的発見が、あくまで仮説的な段階から実証済みの知見として扱われるべき段階に移行する分岐点である。

 ただし研究の共著者であるギャロウェイ氏は、BPAと心臓病の間に直接の因果関係は見つかっておらず、両者が間接的に関連を持っているにすぎない可能性も残されていると指摘する。

 アメリカのプラスチック関連産業の業界団体であるアメリカ化学協会によると、BPA暴露量を“最低限”に抑えた際の健康被害は確認されていないという。しかしBPAには女性ホルモン(エストロゲン)に似た作用があり、子宮内で生殖機能に関わる突然変異を引き起こすことは既に証明されているため、アメリカ、カナダ、ヨーロッパの一部の都市ではBPAの使用やBPA含有製品の販売が禁止されている。

 一方でギャロウェイ氏によると、アメリカ人の90%以上の体内からBPAが検出されているという現状にもかかわらず、BPAが実際に成人の体に与える影響ついての研究は進んでいないという。そこで同氏のチームは、成人の健康と栄養に関する世界で唯一の大規模な調査であるアメリカ全国健康・栄養調査のデータの中から、2005年から2006年にかけて採取された1493人の尿サンプルを分析した。その結果、全体の4分の1のBPA濃度が特に高かったことがわかった。

 今回の研究には参加していないフォム・サール氏によれば、「この結果を世界の総人口である60億人に拡大して考えれば、ざっと10億人に健康被害が及ぶ可能性があることになる」という。

 2003年から2004年にかけて得た1455人のアメリカ人成人のデータを分析した前回の調査では、高濃度のBPAと心臓病、糖尿病、肝酵素異常の発症との間に関連があることがわかった。今回の調査でも同様の関連性が見られたが、糖尿病と肝酵素異常については統計的に有意な結果が得られなかった。

 共著者のギャロウェイ氏にとって驚きだったという大きな相違点は、2005~2006年のグループのBPA暴露量の平均が、2003~2004年の調査のグループの平均より3分の1低かったことだ。体内のBPAが減少したのは、明らかにBPAに接触することになる製品を避ける人が増えたこと、プラスチック製ボトルのメーカーなど一部の業界が自主的にBPAの使用を控えたことが要因とみられている。

 今回の研究では、BPAが体内でどのように心臓病を引き起こすのか一刻も早く解明する必要があると指摘している。

 ミズーリ大学のフォム・サール氏は、もちろんBPAだけが心臓病の原因ではないが、少なくともリスクを引き下げることはそれほど難しいことではないと話す。アメリカ国立衛生研究所ではBPA暴露量を抑えるためにできることとして、(米国内では通常、底面に数字の「7」の表示がある)ポリカーボネート樹脂製の食品保存容器を電子レンジにかけないこと、缶詰の食品を避けること、BPA不使用の哺乳瓶を使うことなどを挙げている。フォム・サール氏は「BPAは体に悪い。今のような使い方を続けていてはいけない」と語っている。

 この研究は「PLoS One」誌オンライン版で1月13日に発表された。

朝食きちんと摂る効果

2010年01月19日 19時56分18秒 | 健康・病気
川島隆太・東北大学教授(加齢医学研究所 スマート・エイジング国際共同研究センター長)が、12日興味深い調査結果を発表した。

「朝ごはんを食べる習慣と、人生を成功に導くこととの関連性が明らかに」なったという。調査手法は、全国の現役大学生400人と、4 年生大学を卒業した会社員500 人を対象にインターネットを利用したアンケートだ。大学生400人は大学を偏差値別に (1)44以下(2)45-54 (3)55-64 (4)65以上に4分類し、それぞれ男女各50人ずつ割り付け、会社員500人は、35-44歳で現在の年収を(1)300万円 (2)300-500万円 (3)500-700万円 (4)700-1,000万円 (5)1,000万円以上に5分類し、各100人ずつ割り付けた、という。

調査結果から「受験・大学生活・就活・現在の生活において、朝ごはん習慣を身につけている人は『偏差値65以上の第一志望の大学に現役合格し、就活もスムーズで、自分が選んだ第一志望の道を歩み、年収1,000万以上を手に入れている』というような成功者の人生を歩む傾向があることが浮かび上がった」。

プレスリリースによると「朝ごはん習慣を身につけていない小・中学生の学力が低いことは、文部科学省の調査で明らかになっている。加えて当研究室がこれまでに行った調査研究からは、朝ごはん習慣を身につけていないと、学力どころか脳の働き自体が低い(脳が発達していない)ことが明らかになった。また、朝食で、おかずをバランス良く食べないと、同じように脳の発達が悪くなることも証明された。実際に、脳の働き方を最先端の脳機能計測装置(functional MRI)で測定をすると、バランスよく朝食をとった時の方が、より脳が働いていることが証明されている」という。

今回の調査で、こうした過去の調査研究の結果があらためて裏付けられたということのようだ。

さらに川島教授の丁寧なアドバイスも付記されている。「脳を良く働かせるための朝食のポイントは2つあります。一つ目は脳細胞のエネルギー源であるブドウ糖を十分に供給すること、二つ目はブドウ糖が有効に脳細胞で使われるようにするための補助的な栄養素をきちんと摂ることです。ブドウ糖はでんぷん質を消化することによって補給されますので、主食をきちんと摂らなくてはいけません。またブドウ糖を脳細胞が効率的に使うためには、ビタミンB群、必須アミノ酸のリジンを摂る必要もあります。二つ目のポイントは、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)を長時間高く保つことです。いわゆる、低GI(インスリンがでにくい)の食事が、脳をより長時間しっかりと働かせてくれます」

詳しい調査結果も付記した分かりやすいプレスリリースによって、きちんとした食生活の重要性を再認識した方は多いと思われるが、当編集部としては1点気になったことを付記したい。

偏差値65以上といった難関大学に見事合格したような人、会社に入ってからも相応の処遇を受けているような人の大半は、元々きちんとした性格だから当然、食生活も普通の人より規則正しかった、という側面もあるのではないだろうか。

東北大学加齢医学研究所 スマート・エイジング国際共同研究センター プレスリリース

色の濃い酒ほどつらい二日酔いをもたらす

2010年01月17日 04時53分11秒 | 健康・病気
   年末年始には飲酒の機会が増え二日酔いに苦しむ人も多くなるが、バーボンなどの色の濃い酒は、色の薄い酒よりもつらい二日酔いをもたらす毒性の強いことが示された。色の濃い酒にはアセトン、フーゼル油、タンニンなど「コンジナー(congener)」と呼ばれる副産物が多く含まれているためだと考えられるという。例えば、バーボンにはウオッカの37倍のコンジナーが含まれている。この知見は医学誌「Alcoholism:Clinical and Experimental Research(アルコール中毒症:臨床と実験研究)」2010年3月号に掲載される予定。

 米ブラウン大学(ロードアイランド州)アルコール・依存症研究センターのDamaris J.Rohsenow氏らによる今回の研究は、21~23歳の健康な男女95人を対象としたもの。被験者は1晩目にはウオッカ(低コンジナー)またはバーボン(高コンジナー)のいずれかを呼気中アルコール濃度が酩酊を示すまで飲み、2晩目にはアルコールを含まないプラセボ飲料を飲んだ。翌朝、二日酔いの程度を被験者に尋ねるとともに、神経心理学的検査を実施し処理速度、注意力、集中力を調べたほか、睡眠の質についても評価した。

 その結果、酩酊状態まで酒を飲むと翌朝の認知力が低下することが判明。また、コンジナー濃度の高いバーボンではウオッカよりも二日酔いによる苦痛が大きかったという。ただし、認知力および睡眠にはコンジナー濃度の影響は認められなかった。「二日酔いによる障害のほとんどはアルコールが直接の原因だが、さらに苦痛を増加させる因子があり、それが色の濃い酒類に含まれる毒素であると考えられる」とRohsenow氏は述べている。

 米国立衛生研究所(NIH)によると、二日酔いを避けるためには満腹の状態で少しずつ適度な量を水と一緒に飲むとよいという。女性は(ビール換算で)1日1杯(12オンス、約360ml)、男性は1日2杯までが適量。二日酔いになってしまったときは、十分に休養を取り、塩分、カリウム、果糖(フルクトース)の含まれる食物を摂るようNIHは勧めている。

孤独は伝染するのか

2010年01月17日 03時10分48秒 | 健康・病気
 孤独な人は孤独な仲間を引き寄せ、他人も孤独にすることが、医学誌「Journal of Personality and Social Psychology(性格と社会心理学)」12月号で報告された。研究著者の1人である米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)教授のJames H.Fowler氏によると、「孤独は人から人へと、3人先まで拡大する。つまり、ある人について何も知らなくても、その人の友達の友達が孤独であることを知っていれば、その人が孤独になるかどうかを、偶然を超える確率で予測できる」という。

 今回の研究では、孤独が伝染するだけでなく、孤独な人たちが小さな集団として孤立する傾向があり、その集団の中で孤独感が増大していくことも判明した。データからは、平均的な人は1年に約48日孤独を感じるが、孤独な人には常に孤独感がつきまとうことが示された。さらに、孤独を感じている人は数年後には友達がいなくなるか、絶えず友達を失い続けている可能性が高いこともわかった。

 Fowler氏らは、米国立加齢研究所(NIA)の支援により、フラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)の最初の参加者の子孫に当たる5,100人強を対象に、2~4年にわたり継続的な友人関係のパターンを追跡するグラフを作成。その結果、孤独である日数が1週間につき1日増えると、近くの友人の孤独も同様に増えるきっかけとなることが判明。さらに、近くの友人同士の会う機会が減るため、孤独がコミュニティ全体に拡大した。女性は男性よりも孤独に感染しやすいこともわかった。

 米デューク大学(ノースカロライナ州)教授のMark R.Leary氏によると、この孤独の伝染は、生活様式が周囲の人に似るためである可能性があるという。「孤独な人に接している孤独でない人は、やや否定的に行動することで、同じネットワーク内の他の人を少し孤独にする可能性がある。おそらくこれが3人先まで孤独の影響がみられる理由である」と同氏は述べている。

 Leary氏によると、孤独な人を救うには、孤独な人と接する人が、内向的な態度は孤独の表れであり、無関心、嫌悪、拒絶ではなく、つながりを求めていると認識し、手を差し伸べることが必要であるという。また、Fowler氏は「精神医療に従事する人であれば、患者だけでなく患者の友人にも働きかけること。雇用者なら従業員が互いに社会的なつながりを持てる活動を強化すること。家族の場合は、家族間の連帯を助けると同時に、自分自身のネットワークにも気を配るべきであることを意味する」と付け加えている。

ただし、社会的ネットワークの研究者の全てが、この研究に納得しているわけではない。イェール公衆衛生大学院のJason Fletcher助教授は、似たもの同士が友人になる傾向や、環境による影響からの解釈を排除するには、一連の研究の対照群は不十分だと話す。

Fletcher助教授は、社会的に伝染するとは思われない、ニキビや頭痛、身長が、同様にネットワークを通じて伝染するように見えることを研究で示している。

ヒトのゲノムにRNAウイルス遺伝子を発見

2010年01月14日 21時16分50秒 | 健康・病気
JST目的基礎研究事業の一環として、大阪大学微生物病研究所の朝長 啓造 准教授らは、ヒトなどさまざまな哺乳動物のゲノム内にRNAウイルスの1種であるボルナウイルスの遺伝子が取り込まれていることを発見しました。これは、レトロウイルス以外にも「ウイルス化石」がヒトのゲノム内に存在することを初めて明らかにしたものです。系統樹の解析では、ウイルス感染が4000万年前までさかのぼると推定しました。従来分かっていたRNAウイルスの感染例では、最古となります。さらに、ボルナウイルスを感染させた細胞で遺伝子が逆転写され、細胞のゲノムに挿入されることも証明した。

生物は、感染したレトロウイルスの遺伝子をゲノムに組み込むことで飛躍的にゲノムの多様性を広げてきたと考えられています。生物のゲノムに内在化したこれらウイルス遺伝子は、過去にウイルスが感染した痕跡であることから「ウイルス化石」とも呼ばれています。これまでに、レトロウイルス以外のウイルスが生物のゲノムに内在化することは知られていなかったため、「ウイルス化石」としてゲノムに発見されるものは、内在性レトロウイルスが唯一と考えられていた。

本研究はまず、レトロウイルス以外のウイルスが生物のゲノムに系統的に取り込まれ、内在化することを明らかにした初の報告として意味があります。また、逆転写酵素注を持たないRNAウイルスが宿主のレトロトランスポゾンを利用することで、細胞のゲノムに挿入されることを示した点でも画期的な発見です。この成果は、RNAウイルスと宿主である人類が互いに関連し合って進化してきた謎に満ちた共進化の解明の新しい手掛かりになると同時に、ボルナウイルスを利用した優れたウイルスベクターの開発にもつながるものと期待され、RNAウイルスの利用方法の拡大に道を開くものだ。

リリース ~JST