19世紀末から20世紀半ばにかけて3つの科に分類された深海魚が、実は1つの科の子、雄、雌であることが、DNA解析などで分かった。東大海洋研究所や千葉県立中央博物館などの国際研究チームが25日までに英王立協会の生物学誌バイオロジー・レターズ電子版に発表した。科は種の2段階上の分類。陸上動物ならイヌとネコが仲間だというのと同じぐらい、意外な発見だ。
子、雄、雌と判明したのは尾が1メートル近いリボンイワシ科(3属5種)、全長わずか6センチ程度で嗅覚(きゅうかく)器官が発達したソコクジラウオ科(4属9種)、最大40センチ程度で頭部が巨大なクジラウオ科(9属20種)。
子はひものようなクシクラゲ類に姿を似せるなどして身を守り、プランクトンを食べて成長。雄は食道と胃がなくなり、肥大化した肝臓にためたエネルギーで、フェロモンを頼りに雌探しに専念すると考えられている。
海洋研所長の西田睦教授や同博物館の宮正樹上席研究員らが、最近採集された標本から細胞小器官ミトコンドリアのDNAを抽出し、全遺伝情報(ゲノム)を解読したところ、3科が非常に近いと判明。米国立自然史博物館やオーストラリア博物館の研究者が頭骨などの形態を詳細に比較し直し、子と雄、雌と結論付けた。種レベルの対応関係はまだほとんど分かっていない。
深海魚は網で海上に引き揚げると死んでしまうため、生態の解明が難しい。しかし、これまでも、ソコクジラウオ科は雄、クジラウオ科は雌しか捕まらないことが不思議に思われていた。日本魚類学会長でもある西田教授は「魚類は種類が多く、形態も変わったものが多い。DNA解析を進めれば、今後も教科書を書き換える成果が出てくるだろう」と話している。
子、雄、雌と判明したのは尾が1メートル近いリボンイワシ科(3属5種)、全長わずか6センチ程度で嗅覚(きゅうかく)器官が発達したソコクジラウオ科(4属9種)、最大40センチ程度で頭部が巨大なクジラウオ科(9属20種)。
子はひものようなクシクラゲ類に姿を似せるなどして身を守り、プランクトンを食べて成長。雄は食道と胃がなくなり、肥大化した肝臓にためたエネルギーで、フェロモンを頼りに雌探しに専念すると考えられている。
海洋研所長の西田睦教授や同博物館の宮正樹上席研究員らが、最近採集された標本から細胞小器官ミトコンドリアのDNAを抽出し、全遺伝情報(ゲノム)を解読したところ、3科が非常に近いと判明。米国立自然史博物館やオーストラリア博物館の研究者が頭骨などの形態を詳細に比較し直し、子と雄、雌と結論付けた。種レベルの対応関係はまだほとんど分かっていない。
深海魚は網で海上に引き揚げると死んでしまうため、生態の解明が難しい。しかし、これまでも、ソコクジラウオ科は雄、クジラウオ科は雌しか捕まらないことが不思議に思われていた。日本魚類学会長でもある西田教授は「魚類は種類が多く、形態も変わったものが多い。DNA解析を進めれば、今後も教科書を書き換える成果が出てくるだろう」と話している。