小林久隆 さん 米国立衛生研究所主任研究員。
テレビのリモコンに使われる近赤外線を武器に、がんを攻撃する治療法を開発した。成果はオバマ前米大統領の目に留まり、一般教書演説で紹介された。
「がん治療のつらい副作用を抑え、患者の治療への恐怖心をなくしたかった」
中高時代はテニスに明け暮れ、1浪を経て京都大医学部に進学。「物理や数学では一番になれないけど、知識を結びつけて生かす実学なら自信があった」
世界一の研究環境を求めて米国立衛生研究所(NIH)に渡り、免疫の力を使った治療法の開発に取り組んだ。得意な化学の知識を生かし、近赤外線をあてると、細胞を傷つける物質を発見。がんに集めたところで近赤外線を照射し、がん細胞だけを壊す「光免疫療法」への道が開けた。
「これなら世界を変えることができる」
2011年の発表からわずか3年あまりで、臨床研究が米国で始まり、効果も見えてきた。国内でも3月に着手する予定だ。
実用化が視野に入ると業務も増え、好きなテニスをする暇もない。「医者の不養生」と苦笑いするが、医師の初心は忘れない。「人の役に立ってこその医学研究。この治療法を早く完成させ、多くの患者に届けたい」
テレビのリモコンに使われる近赤外線を武器に、がんを攻撃する治療法を開発した。成果はオバマ前米大統領の目に留まり、一般教書演説で紹介された。
「がん治療のつらい副作用を抑え、患者の治療への恐怖心をなくしたかった」
中高時代はテニスに明け暮れ、1浪を経て京都大医学部に進学。「物理や数学では一番になれないけど、知識を結びつけて生かす実学なら自信があった」
世界一の研究環境を求めて米国立衛生研究所(NIH)に渡り、免疫の力を使った治療法の開発に取り組んだ。得意な化学の知識を生かし、近赤外線をあてると、細胞を傷つける物質を発見。がんに集めたところで近赤外線を照射し、がん細胞だけを壊す「光免疫療法」への道が開けた。
「これなら世界を変えることができる」
2011年の発表からわずか3年あまりで、臨床研究が米国で始まり、効果も見えてきた。国内でも3月に着手する予定だ。
実用化が視野に入ると業務も増え、好きなテニスをする暇もない。「医者の不養生」と苦笑いするが、医師の初心は忘れない。「人の役に立ってこその医学研究。この治療法を早く完成させ、多くの患者に届けたい」