慶應義塾大学医学部脳神経外科学教室の戸田正博教授らの研究グループは、神経線維腫症2型(NF2)の腫瘍が血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を高発現していることに着目し、新たな治療法であるVEGFRペプチドワクチンの開発を行っています。このペプチドワクチンは細胞傷害性T細胞(CTL)を活性化し、VEGFRを発現している細胞を標的として破壊することで腫瘍の増大を抑制します。また、CTLは体内で持続するため、長期効果が期待されます。
このたびNF2に対する世界初の免疫療法の第I/II相臨床試験が終了し、ペプチドワクチンが予定通り投与された16例の解析を行い、安全性、有効性について有望な感触を得ました。現在、ペプチドワクチンの製剤化を行っており、保険承認を目指して、医師主導治験を開始する予定です。
NF2は10~20歳代での発症が多く、ほぼ全例で多数の神経系腫瘍が生じ、比較的速く進行していく希少性難治性疾患です。最も多い症状は聴神経腫瘍による難聴・めまい・ふらつき・耳鳴りなどで、その他、痙攣・半身麻痺などの重篤な症状を伴うこともあります。手術や放射線治療が行われていますが、多発する腫瘍の制御は困難で、新たな治療法の開発が求められています。
本研究成果は、2024 年5月23日(木)(日本時間)に米科学誌 Journal of Clinical Oncology(オンライン版)に掲載されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/6/12/240612-1.pdf
このたびNF2に対する世界初の免疫療法の第I/II相臨床試験が終了し、ペプチドワクチンが予定通り投与された16例の解析を行い、安全性、有効性について有望な感触を得ました。現在、ペプチドワクチンの製剤化を行っており、保険承認を目指して、医師主導治験を開始する予定です。
NF2は10~20歳代での発症が多く、ほぼ全例で多数の神経系腫瘍が生じ、比較的速く進行していく希少性難治性疾患です。最も多い症状は聴神経腫瘍による難聴・めまい・ふらつき・耳鳴りなどで、その他、痙攣・半身麻痺などの重篤な症状を伴うこともあります。手術や放射線治療が行われていますが、多発する腫瘍の制御は困難で、新たな治療法の開発が求められています。
本研究成果は、2024 年5月23日(木)(日本時間)に米科学誌 Journal of Clinical Oncology(オンライン版)に掲載されました。
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https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/6/12/240612-1.pdf