超空洞からの贈り物

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富士通、電源の電力損を大幅に低減可能な窒化ガリウム高電子移動度トランジスタを開発

2009年06月25日 18時12分36秒 | サイエンス
富士通の応用研究部門となる富士通研究所は24日、家電製品のACアダプターなどで交流電流を直流電流に変換する際に熱として喪失する電力損失を大幅に低減することを可能とした新構造の窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor)の開発に成功したことを発表した。

パソコンなどの家電製品の場合、外付けもしくは内蔵の電源装置を利用して、交流電力を安定した直流電流に変換する必要性が生じる。しかし、供給される交流電流は不安定なため、直流電流への変換は安定化回路を経て、次段階として電圧降圧回路で降圧を行い、最終的に直流化回路を用いて直流変換を行う。電圧降圧回路では、シリコン型トランジスタを用いて通電状態と遮断状態の切り替えを高速に行うことで生成する高周波の交流電力を利用するのが一般的となるが、通電状態と遮断状態を切り替える際の電力損失は非常に大きく、この回路のために全電力の30%が熱として失われてしまっていた。

今回、富士通研究所が開発に成功した窒化ガリウム高電子移動度トランジスタは、ゲート電極構造に原子レベルの平坦性をもつ酸化膜を用いた絶縁ゲート構造を採用することで通電時のオン電流密度を向上させることに成功したもので同研究所ではこの新型の窒化ガリウム高電子移動度トランジスタを使うことによりシリコン型トランジスタに比べて通電時のオン損失を5分の1以下に、スイッチング損失も100分の1以下にすることが可能になると述べている。

製品化は2011年頃となる見通し。

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