どこかの高山を背景にした、牧歌的な、のどかそうな写真ですが、実は同教授のページに行くと、この真菌Gliocladium roseumはすでに「特許登録ずみ」であるということが書かれています。「モンタナ州立大学はGliocladium roseumの特許を保持しています。ライセンスご希望の方は大学の技術移転事務所までお問い合わせください」だそうです。
こうした「バイオプロスペクティング」(生物資源探査)――自然界から商業利用可能な特質を備えた植物や動物を探す取り組み——については、2003年の過去記事などでご紹介しています。アフリカなどの民間療法の治療者のもとに西欧の科学者が調査に入り、新薬として有望なものを探しているという記事です。
さらに2004年の過去記事では、超低温、超高温、強アルカリなどの環境でも耐えられる特性を持った各種の「極限環境微生物」についてのバイオプロスペクティングを紹介しています。たとえば人の致死量の1万倍の放射線に耐えられる微生物を応用利用しようとするような方向性です。これによると、「南極で発見された生物的資産の所有権を主張して出願された特許は、米国で92件、ヨーロッパで62件にものぼっている」そうです。
なお、途上国などの遺伝資源を略奪的に利用し、その利益が資源提供者に還元されないことを「バイオピラシー」(piracyは海賊行為)と呼ぶそうです。有名な例としては、タイで伝統的に育成されていた香りの良い米「ジャスミンライス」について米国の会社が特許をとり、商標もとってしまったという例(1998年)があります。
英語版Wikipediaの「Biological patent」(生物特許)という項目によると、米国で生きている生物について特許が認められるようになったのは1980年代からで、遺伝子工学の興隆とともに「ゲノムの特許」も登場し、「人間の胚性幹細胞の特許」(2001年)というものも登場しました。
2005年の報道によれば、人間の遺伝子の約2割が、米国の企業や大学などが所有する特許になっているそうです。そういった遺伝子特許が、病気治療のための遺伝子検査の障害になっているという現状を紹介した、2004年の過去記事もあります。
米国では、こういった弊害はあっても、基本的には生物特許は研究を進める上で有益なもの、ビジネスが成長することで研究も進む、という認識が優勢である模様です。しかしたとえばドイツの裁判所は、人間の組織から生じたものは特許としては認められないという判断を下し、欧州全般でも幹細胞特許は認めていないそうです。
また、日経Bizplusの記事によると、日本の場合、特許法では、産業上利用可能なことが保護条件となっている(特許法29条)が、医療は「産業」にあたらないというのが通説であり、さらに人体またはその一部については発明の構成要素としては認められていないことから、現在治療や手術方法などについては先進的なものであっても特許として認められないそうです。「ただし、万能細胞の研究成果が注目され、日本が世界をリードできる将来有望な研究として知財保護の機運が高まりつつあり、特許法を見直してはどうかといった声が出始めているため、この壁は今後低くなるかもしれない。政府知的財産戦略本部は最近(08年4月)、iPS細胞を利用した先端的な医療行為について特許の適用を検討すると発表した」そうです。
自然界に存在する生物や遺伝子を特許として「私有」する範囲は、今後も拡大していくのかもしれません。
なお、英文のWikipediaには、いろいろと妙な特許や商標についての解説があります。たとえば、過去記事「『iPod』の「あの形」は商標登録済み」の注記で、ドイツテレコム社とRed Bull社はともにマゼンタ色についての「色商標」を所有している、ということを紹介しましたが、他にも、音響商標、香り、味、感触などのNon-conventional(Non-traditional) trademarkがあるようです。
人類の共通の財産としろよって思う。
こういう独占してる人たちが…
他人が持ってる権利や特許なんかで、苦痛を味わえば?って思う
ひねくれた考え方なんだろうけどね。
こうした「バイオプロスペクティング」(生物資源探査)――自然界から商業利用可能な特質を備えた植物や動物を探す取り組み——については、2003年の過去記事などでご紹介しています。アフリカなどの民間療法の治療者のもとに西欧の科学者が調査に入り、新薬として有望なものを探しているという記事です。
さらに2004年の過去記事では、超低温、超高温、強アルカリなどの環境でも耐えられる特性を持った各種の「極限環境微生物」についてのバイオプロスペクティングを紹介しています。たとえば人の致死量の1万倍の放射線に耐えられる微生物を応用利用しようとするような方向性です。これによると、「南極で発見された生物的資産の所有権を主張して出願された特許は、米国で92件、ヨーロッパで62件にものぼっている」そうです。
なお、途上国などの遺伝資源を略奪的に利用し、その利益が資源提供者に還元されないことを「バイオピラシー」(piracyは海賊行為)と呼ぶそうです。有名な例としては、タイで伝統的に育成されていた香りの良い米「ジャスミンライス」について米国の会社が特許をとり、商標もとってしまったという例(1998年)があります。
英語版Wikipediaの「Biological patent」(生物特許)という項目によると、米国で生きている生物について特許が認められるようになったのは1980年代からで、遺伝子工学の興隆とともに「ゲノムの特許」も登場し、「人間の胚性幹細胞の特許」(2001年)というものも登場しました。
2005年の報道によれば、人間の遺伝子の約2割が、米国の企業や大学などが所有する特許になっているそうです。そういった遺伝子特許が、病気治療のための遺伝子検査の障害になっているという現状を紹介した、2004年の過去記事もあります。
米国では、こういった弊害はあっても、基本的には生物特許は研究を進める上で有益なもの、ビジネスが成長することで研究も進む、という認識が優勢である模様です。しかしたとえばドイツの裁判所は、人間の組織から生じたものは特許としては認められないという判断を下し、欧州全般でも幹細胞特許は認めていないそうです。
また、日経Bizplusの記事によると、日本の場合、特許法では、産業上利用可能なことが保護条件となっている(特許法29条)が、医療は「産業」にあたらないというのが通説であり、さらに人体またはその一部については発明の構成要素としては認められていないことから、現在治療や手術方法などについては先進的なものであっても特許として認められないそうです。「ただし、万能細胞の研究成果が注目され、日本が世界をリードできる将来有望な研究として知財保護の機運が高まりつつあり、特許法を見直してはどうかといった声が出始めているため、この壁は今後低くなるかもしれない。政府知的財産戦略本部は最近(08年4月)、iPS細胞を利用した先端的な医療行為について特許の適用を検討すると発表した」そうです。
自然界に存在する生物や遺伝子を特許として「私有」する範囲は、今後も拡大していくのかもしれません。
なお、英文のWikipediaには、いろいろと妙な特許や商標についての解説があります。たとえば、過去記事「『iPod』の「あの形」は商標登録済み」の注記で、ドイツテレコム社とRed Bull社はともにマゼンタ色についての「色商標」を所有している、ということを紹介しましたが、他にも、音響商標、香り、味、感触などのNon-conventional(Non-traditional) trademarkがあるようです。
人類の共通の財産としろよって思う。
こういう独占してる人たちが…
他人が持ってる権利や特許なんかで、苦痛を味わえば?って思う
ひねくれた考え方なんだろうけどね。