超空洞からの贈り物

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ヘルペス感染を防ぐ局所用クリームを開発

2009年02月21日 00時16分21秒 | Weblog
ヘルペスウイルスの感染に重要な役割をもつ遺伝子を無効にする、局所治療薬(クリーム)が米国の研究グループにより開発された。

 世界保健機関(WHO)によると、性行為により伝播(でんぱ)する単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)には、世界で5億3,600万人が感染しているという。女性は男性よりもHSV-2の感染率が高く、分娩時には母体から新生児へ容易に感染する。乳児のHSV-2感染を放置すると、脳損傷や死亡に至ることもある。成人ではHSV-2感染が生命にかかわることはないが、HIVなどのほかのウイルスに感染しやすくなる。

 今回の治療は、RNA干渉(RNA interference: RNAi、※編集部注=細胞に二本鎖RNAを導入した場合、それと同じ配列をもつ遺伝子の発現を抑制する現象)のメカニズムを利用して、ウイルスの複製を阻害すると同時に、宿主細胞がウイルスを取り込むのを阻害するという2つの方法でウイルスを撃退するもの。

 マウスの研究では、ヘルペスウイルスに曝露する1週間前から数時間後までの使用で有効性が認められた。「知る限りでは炎症や自己免疫反応などの副作用はなかった」と、著者の1人である米ハーバード大学(ボストン)医学部教授のJudy Lieberman氏は述べている。この治療により正常な細胞機能が妨げられることもなかったという。この研究は医学誌「Cell Host & Microbe(細胞宿主と微生物)」1月22日号に掲載された。

 「長い間、ウイルスの伝播を防ぐ局所薬の開発が試みられてきたが、大きな障壁の1つに(性交直前に使用するという)コンプライアンス(治療遵守)の問題があった。われわれが開発した薬剤の魅力は、性行為によるウイルス曝露の1週間前に塗布しても、組織内の感染しにくい状態が維持されることである」とLieberman氏は述べている。今回の結果がヒトでも再現できれば、感染予防に強力な効果を発揮する可能性があるという。

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