超空洞からの贈り物

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米国家偵察局のAdvanced Mentorの件

2009年01月28日 19時16分35秒 | Weblog
今月17日、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から「Delta IV Heavy」ロケットを使って打上げられた米国家偵察局(National Reconnaissance Office)の情報収集衛星「NROL-26」は光学監視カメラや開口レーダーを搭載した従来型のスパイ衛星ではなく、専用のアンテナを使って電波傍受を行うことが目的の次世代型の新型スパイ衛星だという。

 情報を総合するとこの衛星は静止軌道衛星で、衛星重量は5~6トンで、展開後は直径100メートルもの巨大なアンテナを持つコードネームが「Advanced Mentor」と呼ばれているものだという(NROの情報収集衛星のこれまでは「Mentor」というコードネームが付けられており「Advanced」とはここでは次世代という意味となる)。

 5~6トンという衛星重量は大型化が進んでいる最近の通信衛星と比べてるとそう変わるものではないが、直径100メートルのパラボラアンテナというのは異常な大きさであり、サッカーグランドほどの巨大構造物をたった1回の打上げで軌道上に投入するという離れ業をやってしまったこととなる。

見た通り、衛星に比べて異常に巨大なパラボラアンテナを装備していることが判る。

 米国政府は既に、「Delta IV Heavy」を使ったもう2機分の衛星打ち上げを打上げオペレーターのUnited Launch Allianceに対して発注しており、打上げ済みのNROL-26に加えて、今後打上げ予定のNROL-32、NROL-49の合計3機を静止軌道上に投入することで、地上基地方式の通信傍受システム代わる次世代「Echelon」を構築する見通しだ。

 ただし、これだけ巨大なアンテナを宇宙空間で展開することは容易なことではなく、また、システム全体を維持するためには膨大な電力も必要となる。衛星は故障を起こしても修理を行うことが難しく20億ドル(約1800億円)もの巨額費用の単体衛星に軌道投入することは超大国の米国であっても非常にリスキーだ(まずもって「Delta IV Heavy」の打上げが成功する確率さえも高いとは言えない)。

 米国の軍事衛星は、2006年12月に打上げられたNROの情報収集衛星「NROL-21」が軌道投入直後に運用不能状態に陥り、完全失敗。また、2007年10月に打上げられた早期警戒衛星「DSP-23」も運用開始1年を経たずに2008年9月頃に運用不能状態に陥り、静止軌道を離脱してドリフト状態に陥るなど、このところ失敗が続いている。

 DSP-23やNROL-21の故障原因は不明だが、米国でさえ失敗続きで手こずるところを見ると相当難易度の高い衛星の投入を繰り返しているのではないかと思うところだ。

 今回、打上げられたNROL-26の全貌は堅く閉ざされているものの、これだけ巨大な構造物ということもあり、NROL-26がパラボラアンテナの展開に成功するかどうかは容易に観測可能だろう。


スパイ衛星と呼ばれている衛星について。
どれくらいの性能も持っているとかは公開されないわけですが…
これだけの規模で、台数が増えると、死角がなさそう。

すべての打ち上げが成功するかは、過去の実績を見れば微妙。
なによりこれだけ巨大な構造物を広げて、維持できるのか?
まぁ一般人にはあまり意味のない話ですね。

興味あるのは、どうやってこれを収納・展開したか。
地上からはどういう風に見えるのか。

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