超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

失敗は遠回りに見えて、やっぱり成功への近道

2009年03月09日 21時51分03秒 | Weblog
失敗で落胆してはいけない。前向きな経験になり得るのだ。我々が過ちのなかから真実を探り当て、経験から過ちを犯さない術を学べるという点において失敗は、ある意味では、成功に向かう本道である。- ジョン・キーツ(19世紀のイギリスの小説家)


ケリー・アボットからの贈り物

数週間前のことになりますが、私(ケリー・アボット)がソーシャルバイオグラフィー・ネットワーク「Dandelife」(参考:「TechCrunch」の記事)閉鎖を発表する前からニューヨーク・タイムズ紙などに「プロジェクトは失敗」と書かれたりしました。

ニューヨーク・タイムズに100%同意する完全主義者、そうではない現実主義者ー私自身、相反するところがあります。が、もし失敗の中に明るい兆しを見い出せるならピンとくるはず。失敗はハッキングの一環だと。失敗は完成品のマイルマーカーにすぎないと。「Dandelife」創設にあたり身を以て実感しましたよ。

この失敗で得られた最大のハックは「新しい自活手段を形にする」ことでした。2年半前、私は「Dandelife」を始めるため本職を辞めました。クライアントのために働く代理店から、一般消費者相手のドットコム企業へ鞍替えしたのです。数カ月分の資金援助のほか、開発チームメンバーや素晴らしいアドバイザー5人の創業支援を受け、ゼロから新会社を築きました。

「3カ月で元の収入レベルにならなければ転職する」と妻に話していたにも関わらず、新会社が不利益でも辞めませんでした。「Dandelife」を真の仕事とすることはできなかったけれど、たいしたことはありません。肯定的に利用することが、失敗を活かすコツ。有利に働くよう事を運んだのです。

ここでちょっと私の思い出というか、ルーツの話を...。私の義理の父のガレージは冷蔵庫や白黒テレビ、いつのモノか分からない道具などジャンク品で足の踏み場もないほど埋め尽くされていました。また、私の父は本棚に囲まれたオフィスを構えていました。灰皿には吸い殻が溜まり、机は手紙で埋もれ,部屋の角には雑誌や新聞が山積み状態ですが。幼児期に親友の父親が住んでいたクリーブランドの地下室も思い出せます。何週間も姿を消し、かすんだ目で美しい模型飛行機を持っていた彼のことも。

「Dandelife」に没頭する以前の、コードやグラフィックにかまける日々でも、子供時代にそんな大人たちを目の当たりにしてきた私の創造力に、歯止めをかけることはできなかったのです。三つ子の魂、百までとはよく言ったものです。 「Dandelife」を始めてから、そんな親たちスキルのすごさにやっと気づいたと思います。また同時に、早急に自分の幅を広げる必要性を感じました。

自分が他者に及ぼす影響や自分の在り方を問い直し、自分主義の呪縛を解いたのです。相談、旅行、歓談、ネットワーク(人脈)作りなどさまざまな経験を重ね、私は多くのことを学びました。新しい友人もできました。全てが自分の長所と短所を知ることに繋がっており、弱みを強みにプラスに転化し自分らしさを新しく創造したのです。

ロス・メイフィールド氏のブログ「foundership」には「自己改善は常に念頭に」とあるとか。私はプレッシャーが少なくても無意識に前職で実践したのだと振り返っていて改めて気がつきました。人生ってそういうものですよね。「Dandelife」は成功していたわけではありません。VC支援も受けなかったし、何百万ドルと稼ぐこともできませんでした。外因ではなく自身の能力の拡充・深化があってこそ、冒頭のキーツの言葉が示唆するとおり、失敗は成功の要因なのです。

そして、私は今を楽しんでいます。最近、解雇された方に励ましの言葉をおくりましょう。失業中の今、スタートアップのための機会費用(機会原価)は往々にして安いものです。自分で掴んでこそ人生。失敗とうまく付き合い、自分の人生を自分で開いていこうではありませんか。

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