ホンダの新しい『インサイト』は、トヨタ『プリウス』より車体が小さい。しかし、ハイブリッド・ドライブトレインとバッテリーがコンパクトなため、室内は同じくらいの広さだ。
ホンダは11日(米国時間)、『デトロイト・オートショー』で新ハイブリッド車『インサイト』を発表した。米国発売はアースデイの4月22日で、価格はまだ発表されていないが、トヨタ『プリウス』と比べて数千ドルは安く、2万ドルを切ると予想されている。
しかし、インサイトの魅力は低価格だけではない。燃費の良さと、それを支えるスマートなインタラクティブ・ダッシュボード、そして加速の良さなどで、インサイトは、世界初の「楽しめるハイブリッド」だと言うことができる。
インサイトが採用する『Honda IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システム』技術は、同社の『シビックハイブリッド』にも使われているもので、88馬力の4気筒エンジンと、ニッケル水素バッテリーで駆動する13馬力の電気モーターを組み合わせている。98馬力が可能で、信号が青になった時に加速で他車を引き離すのに十分だ。
燃費ではトヨタ自動車の『ハイブリッド・シナジー・ドライブ』に及ばないが、市街地ではリッター当たり約17キロメートル(40MPG)、高速道路ではリッター当たり約18.3キロメートル(43MPG)と、米環境保護局(EPA)が出しているトヨタの2009年型『プリウス』の数値に肉迫している。
また、サイズが小さくコストが低いホンダの技術には他の利点もある。インサイトはプリウスより小型だが、室内の広さはほぼ同等で、収納の広さでは勝っている。これは、小さな電子制御ユニットと、5.75アンペア時で100ボルトと高効率のニッケル水素バッテリー(後部座席下に配置)のおかげだ。
次に車内だが、こちらも『iPod』ホルダーや、幾通りにも構成を変えられる収納スペースなど、便利な機能をふんだんに盛り込んでいる。さらに素晴らしいことに、荷室カバーは格納式で、荷室の床下にあるスロットに収めることができる。
またオプションとして、ナビゲーションシステムやBluetooth、iPodの接続機能などもあるが、これらを搭載すると、おそらく価格は2万ドルを超えてしまうだろう。ただし最もクールな機能、すなわちインタラクティブな『エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム』は、すべてのモデルに標準で搭載される。
このシステムでは、ダッシュボードの表示と速度計のバックライトを活用して、ビデオゲームのように運転方法をコーチングしてくれ、燃費を可能な限り向上させる運転方法である「ハイパーマイル」(日本語版記事)を実践できる。また、スロットル感度を制御し、エアコンディショナーのエネルギー消費を抑え、その他いくつかの工夫を凝らして燃費を向上させる「ECONモード」も備える。
『エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム』は、インタラクティブなダッシュボード表示で、運転方法についてのフィードバックをリアルタイムで提供し、より低燃費な運転を手助けする。
ワイアードが2008年12月にインサイトに試乗する機会を得たときは、特に意識しなくともリッター当たり18.0キロメートルという感動的な燃費で走ることができた。ECONモードボタンを押して、ハイパーマイルの運転方法を教えてくれるエコロジカル・ドライブ・アシスト・システムを利用したところ、インサイトはさらにリッター当たり27.9キロメートルという驚異的な数字をたたき出した。これは、われわれがこれまでプリウスで経験した最高レベルの数字に匹敵する。
皮肉なことにインサイトは、環境保護を訴える内なる声を忘れ、運転の楽しさに没頭させてくれそうなドライビング・ダイナミクスを備えた初めてのハイブリッド車だ。プリウスでドラッグレースをやったことはないが、筆者の経験と勘によれば、おそらくインサイトの方がアクセルの反応がよく、また言うまでもなくステアリングの敏感さ、ブレーキの利き、ハンドリングでも勝っている印象だ。
フル装備の『EX』バージョンともなると、ステアリングホイールにパドルシフトまで装備される。インサイトは、たとえばシビックの『Si』ほどスポーティーではないが、切れ味の悪い車では決してない。
ホンダは、小型で低価格のインサイトに実に多くのものを詰め込んでいる。同社の福井威夫社長が2008年秋に約束したように、インサイトはハイブリッド車に「低価格の新時代」を到来させる自動車になるのではないかと、業界アナリストらは述べている。
観測筋の話では、すでにトヨタと韓国のHyundai Motor社(現代自動車)が、ホンダのインサイトと同じ価格帯のハイブリッド車を投入する計画を立てているということで、ほかの自動車メーカーが後に続くのも時間の問題だ。
自動車業界の調査会社、米CSM Worldwide社のアナリストJoe Langley氏は次のように述べている。「価格とパッケージ、および搭載機能の面で、ホンダは他社が目標とすべき新たな基準を打ち立てることになるかもしれない。今後、価格は下がり始める。これはその第1歩だ」
ホンダは11日(米国時間)、『デトロイト・オートショー』で新ハイブリッド車『インサイト』を発表した。米国発売はアースデイの4月22日で、価格はまだ発表されていないが、トヨタ『プリウス』と比べて数千ドルは安く、2万ドルを切ると予想されている。
しかし、インサイトの魅力は低価格だけではない。燃費の良さと、それを支えるスマートなインタラクティブ・ダッシュボード、そして加速の良さなどで、インサイトは、世界初の「楽しめるハイブリッド」だと言うことができる。
インサイトが採用する『Honda IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システム』技術は、同社の『シビックハイブリッド』にも使われているもので、88馬力の4気筒エンジンと、ニッケル水素バッテリーで駆動する13馬力の電気モーターを組み合わせている。98馬力が可能で、信号が青になった時に加速で他車を引き離すのに十分だ。
燃費ではトヨタ自動車の『ハイブリッド・シナジー・ドライブ』に及ばないが、市街地ではリッター当たり約17キロメートル(40MPG)、高速道路ではリッター当たり約18.3キロメートル(43MPG)と、米環境保護局(EPA)が出しているトヨタの2009年型『プリウス』の数値に肉迫している。
また、サイズが小さくコストが低いホンダの技術には他の利点もある。インサイトはプリウスより小型だが、室内の広さはほぼ同等で、収納の広さでは勝っている。これは、小さな電子制御ユニットと、5.75アンペア時で100ボルトと高効率のニッケル水素バッテリー(後部座席下に配置)のおかげだ。
次に車内だが、こちらも『iPod』ホルダーや、幾通りにも構成を変えられる収納スペースなど、便利な機能をふんだんに盛り込んでいる。さらに素晴らしいことに、荷室カバーは格納式で、荷室の床下にあるスロットに収めることができる。
またオプションとして、ナビゲーションシステムやBluetooth、iPodの接続機能などもあるが、これらを搭載すると、おそらく価格は2万ドルを超えてしまうだろう。ただし最もクールな機能、すなわちインタラクティブな『エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム』は、すべてのモデルに標準で搭載される。
このシステムでは、ダッシュボードの表示と速度計のバックライトを活用して、ビデオゲームのように運転方法をコーチングしてくれ、燃費を可能な限り向上させる運転方法である「ハイパーマイル」(日本語版記事)を実践できる。また、スロットル感度を制御し、エアコンディショナーのエネルギー消費を抑え、その他いくつかの工夫を凝らして燃費を向上させる「ECONモード」も備える。
『エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム』は、インタラクティブなダッシュボード表示で、運転方法についてのフィードバックをリアルタイムで提供し、より低燃費な運転を手助けする。
ワイアードが2008年12月にインサイトに試乗する機会を得たときは、特に意識しなくともリッター当たり18.0キロメートルという感動的な燃費で走ることができた。ECONモードボタンを押して、ハイパーマイルの運転方法を教えてくれるエコロジカル・ドライブ・アシスト・システムを利用したところ、インサイトはさらにリッター当たり27.9キロメートルという驚異的な数字をたたき出した。これは、われわれがこれまでプリウスで経験した最高レベルの数字に匹敵する。
皮肉なことにインサイトは、環境保護を訴える内なる声を忘れ、運転の楽しさに没頭させてくれそうなドライビング・ダイナミクスを備えた初めてのハイブリッド車だ。プリウスでドラッグレースをやったことはないが、筆者の経験と勘によれば、おそらくインサイトの方がアクセルの反応がよく、また言うまでもなくステアリングの敏感さ、ブレーキの利き、ハンドリングでも勝っている印象だ。
フル装備の『EX』バージョンともなると、ステアリングホイールにパドルシフトまで装備される。インサイトは、たとえばシビックの『Si』ほどスポーティーではないが、切れ味の悪い車では決してない。
ホンダは、小型で低価格のインサイトに実に多くのものを詰め込んでいる。同社の福井威夫社長が2008年秋に約束したように、インサイトはハイブリッド車に「低価格の新時代」を到来させる自動車になるのではないかと、業界アナリストらは述べている。
観測筋の話では、すでにトヨタと韓国のHyundai Motor社(現代自動車)が、ホンダのインサイトと同じ価格帯のハイブリッド車を投入する計画を立てているということで、ほかの自動車メーカーが後に続くのも時間の問題だ。
自動車業界の調査会社、米CSM Worldwide社のアナリストJoe Langley氏は次のように述べている。「価格とパッケージ、および搭載機能の面で、ホンダは他社が目標とすべき新たな基準を打ち立てることになるかもしれない。今後、価格は下がり始める。これはその第1歩だ」