静岡県立美術館で開催中の展覧会に行ってきました。
佐伯の出身地に建設予定中の、大阪新美術館から、その珠玉のコレクション58展を一堂に展示する、という贅沢な内容。これだけまとまった作品群を地元で見られるチャンスはたぶんもうないので(^_^;)ありがたい限りですww
展示は、フランスで佐伯と交流のあった画家の作品や、1920年代に街を彩ったポスター作品などをはさんで時代ごとに並べられ、とても観やすいものとなっていました。
(↓オテル・デュ・マルシェ 1927 ↓)
佐伯祐三と言えば、パリ、のイメージが強い私にはやはり何よりこの作品。華やかな時代にあって…人々の賑わいではなく、建物やテーブル、背後のポスターを描いた佐伯。それでいて大胆な構図や躍動感のある画面構成によって、とてもエネルギーに溢れた作品となり、街の賑わいが聞こえるようでした!
(↓煉瓦焼 1928 ↓)
そしてもうひとつ、とても印象に残った作品。
1928年、パリを離れ近郊のモラン村に滞在し、田舎の素朴な建物や自然を描いた一連の作品。
パリ時代より力強さを増した佐伯作品のなかでもこの[煉瓦焼]は素晴らしかった♪ヽ(´▽`)/
黒く太い輪郭線。石造りの建物が見せる質感や力強い造形を、赤や青など…澄みきった印象的な色彩の美しさで描き、まるで建物自信が輝きを放っているかのような神秘的な雰囲気でした。
いや、もう、感服です。
この他も[郵便配達夫] など代表作から、手紙、装丁作品、ポスターに至るまで…充分すぎる内容でした。
ローランサンや藤田、コクトーなどのリトグラフが観られたのも、良かったです。
平日ということで、わりと空いていましたが、じっくり観たい作品も多く、また「当日限り、再入館できます」と言われたこともあり、カフェでの休憩をはさんで2周する…という、大満喫の大満足っぷりでした
(*≧∀≦*)
余談ですが、静岡県立美術館に新収蔵品として加わった、黒田清輝の油彩(富士山を描いた6点組)作品も、なかなかでした。
油絵の具で日本の景色を描くことに尽力した(奇しくも佐伯が、あぁなんと日本の風景の乏しいことか…と悲観したのは、さておき(笑))黒田らしい美しい富士山。季節のうつろいの様に、淡く透明な色調は少品ながらも、存在感のあるものでした。
出口には、こんなものが↑↑↑
シュールすぎて、笑えます。
さすがに、顔は出せませんでした(笑)