静岡県立美術館にて開催中の
【アニマルワールド―美術のなかのどうぶつたち―】
展に行ってきました。
そういえば動物って、当たり前に身近な存在だけれど…絵画の世界ではいろんなカタチで登場するよなぁ…。宗教的とか文化的とかでも。
そんな多様な背景に注目しつつ、江戸時代の作品を中心に一堂に展示した作品展みたいです。
正直、古い時代のいわゆる日本画と呼ばれるもの…まったく造詣のない私ですが(  ̄▽ ̄)
伊藤若冲の作品、特に[樹花鳥獣図屏風] をこの目で見てみたい!! と、思い足を運びました。[樹花鳥獣図屏風]は県立美術館所蔵で6曲1双の大きな作品。美術館のホームページやポイントカードにも使われています。
画面全体に方眼を整え、そのひとつひとつを塗りつぶしてゆく特異な技法。細やかな作業と鮮やかな彩色が強く印象に残ります。
モザイクのようであり、点描画法のようであり、そのどちらとも違う描き方。また、写実とは程遠い単純なラインで描かれた動物たちにとてつもない生命力と躍動感を感じるのも不思議でした。
この緻密で繊細な作業の証はやはり実物を見なくちゃ伝わらないなぁ…(*´∇`*) なんて思いつつ…その他の作品も堪能。
狩野派の作品や円山応挙など、私でも知っている作者の物も多く、わかりやすい解説も書かれているので 、十分楽しめました。
そういえば
窪田雪鷹 の [駱駝図](1823・文政6年)
という作品があって
表題の通りラクダの絵なんですが、その賛は、見せ物となるラクダを憐れむものでした。
(※賛っていうのは、絵の作者とは別の人物が作品に寄せたコメントで、絵の中に描きこまれ、これも合わせてひとつの作品とみなす文章です。)
1823年、江戸の後期。この頃から見せ物としての動物(動物園など)の歴史が始まってきたのですかね。
余談ですが最初に象を輸入したのは8代将軍、吉宗らしいですよ。鎖国中とはいえ、私たちが思ってる以上に様々な貿易がされていたんですよね。
…ん( -_・)? てことは、若冲のゾウの生き生きとした様は、実物を見て描いたのかな?
それとも、やはり仏教の資料とかを参考に描いたのかな?
そういえば、虎の画は、猫を参考にしていた…なんて話も聞くし…(*´∇`*)
など、とりとめのない事にまで思いを巡らしながら、お気に入りの作品を、ソファに座りボーッと眺める時間が大好きなのです。
最近、例えあまり知らないジャンルでも、いろんなジャンルの展覧会に行くようにしているのは、こういった様々な思いの巡り合わせや、思わぬ発見があったりするからです。
絵画には、純粋にその技法や色彩を楽しむだけでなく、時代時代を映すカガミのような力があることを、改めてかんじる一日でした。