風箱の徒然ブログ

旅の思い出話から、木工、日常の徒然を気ままに

別れ

2008-04-03 21:43:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
1997年2月16日

Uさんが出発する日である。
高速船が出るのは13:00。
休み時間を30分ずらして皆で見送りをすることにした。

OG君は朝の4:00(!)に起きて、クッキーを焼いていた。
餞別に、Uさんに渡すために。

12:00に弁当を取りに港へ行く。
船はまだ着いていなかった。
ターミナルにUさんがいた。
「弁当取りに来たんだ。」
「船はまだ来ないね。」

ターミナルの中で待つ事にした。
「なんか変な感じ。」とUさん。
「僕も不思議な感じだよ。だって夜にはUさんいないんだもん。」
Uさんの視線がずれて、だまって遠くを見つめていた。

「今日、朝から食欲がなくて、チョコレートしか食べていないの。」
「だいじょうぶか?」
「だいじょうぶ。」
こんな会話をしているうちに、10分遅れで船が来た。
「じゃあ、また後でね。」

弁当を受け取って畑に戻り、12:30までキビ積みをし、OMさん以外は港へ向かった。
畑で食べる暇が無かったので、弁当持参と言う事になった。
ターミナルの軒の下で弁当を食べる。

12:50になり、乗船手続きが始まる。
弁当を食べるのを一旦止めて、見送りのため、船の近くまで歩いて行く。

皆それぞれに一言Uさんに伝える。
僕は・・えーと何を言ったか思い出せない。

そして別れの握手。

13:00
船が岸壁を離れた。
皆思い思いに手を振った。
Uさんも手を振っている。

「ごきげんよう!」

皆も口々に何か叫んでいる。

船はどんどん離れ、Uさんの姿は見えなくなってしまった。
船が防波堤を越えた途端、波で揺さぶられているのが遠めでも分かった。

「おお、揺れとる揺れとる。」
「休みの日に石垣行った時もあんな感じだった。」とOさん。

ターミナルに引き返した。
なんか、心の中にポッカリと穴が開いた感じだった。

改めて思いなおしてみると、これが旅の出会いと別れの味なのかもしれない。
悲しいけど、清々しい気持ち。

Uさんそれじゃ、またどこかで会おうね。
それまでさようなら。