風箱の徒然ブログ

旅の思い出話から、木工、日常の徒然を気ままに

最終日

2008-04-27 22:02:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
1997年3月28日

波照間に戻ってきたIK君も加わり、最後の畑のキビを折る。
今日で83日間のキビ刈りが終わる。
畑は、空港の目の前だった。
畑の主も総出でキビを折った。
ここのキビは、品種は知らないが、長くてやわらかく、葉っぱはサラサラと取れるので作業はしやすかった。

15:00頃に終わると思われたが、11:30頃に終わってしまった。


終わった。 終わったんだ!


今年は、昨年の台風の影響で収穫が少なく、そのために期間は短かったそうだ。
結果としては短い期間だが、気力や体力的にはまだまだいけた。

寮に戻り、皆、庭でグテーっとした。
中にはうなだれて、放心状態になっているのもいたり。


83日使ったキビ刈り鎌。
OMさんにお願いして、記念にもらった。


OMさんにとっては大事な道具だから、すこし渋っていたが、まあいいだろうと言う事で。
ヤッター!


さて、お金は予定よりぜんぜん少なかった。でも、それ以上にこの地での経験がそんな事を補って余りあると思った。

キビ刈り隊の仲間は、まあ、人間だから目をつぶらなくてはならない所もあった。
それは相手の自分に対する思いも同じだったろうから、お互い様だろう。
でも、皆基本は良い人達ばかりだった。
寮長のSさんが出て行ってしまった件は残念だった。

このまま去るのはちょっとつらいけど、僕には僕のこれからの道がある。

別れもまた旅のうちだ。

帰ってきた!

2008-04-23 20:08:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
1997年3月27日

キビ刈りも残すところあと1日。
今日は驚きと嬉しい出来事があった。
なんとIK君が再び波照間に来たのだ。

彼は、3月24日に波照間を発ってから西表島に行き、その後与那国島へ行こうとしたらしいのだが、フェリーに乗り遅れてしまった。

そして、波照間に来る事を考えたようだ。

思いがけない仲間との再会に、皆も喜んでいたと思う。

竜巻!

2008-04-21 21:58:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
自分の記憶にとどめておくべき出来事があった。
OMさんが、ぶりぶち公園を案内してくれた。
近くに湧き水の出る所があり、元はリン鉱石の採掘場だったそうである。

その時、天気が急に崩れ、上空の彼方に竜巻が2つ発生した!
ぐるぐると細長い渦を巻いていて、まぎれもない竜巻だった。


ほんの5分程で消えてしまったが、けっこう大きかった。
実は竜巻をナマで見たのは生まれて初めてだった。

OMさんが言うには、巨大で災害をもたらす竜巻は「台湾坊主」と呼ばれるそうである。

特にビュー、とかゴーとか言った音は無かった。

この後雨が降り出した。

元気な若い仲間

2008-04-20 11:33:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
1997年3月24日

一人の元気な子が、波照間を後にした。
かなり悲しそうな顔をしていたのが印象的だった。
彼にとっての波照間での体験は、かなり強烈なものだったようだ。

IK君は3月3日から当初体験で入ってきた。
いつしかアルバイトとして働くようになった。

年も近く、若いT君ととてもウマが合って、日が経つうちに互いをあだ名で呼び合うくらいになっていた。
IK君が「ゴリ」で、T君は「モンキー」。

IK君が滞在している間、毎日のように「おい、ゴリィ!」「なんだよ、モンキー!」の呼び合いが寮に響き渡っていた。
互いに大声で呼び合うので、うるさい位だったが、二人とも楽しそうで、微笑ましかった。

IK君はどちらかと言うと、親分肌のパワフルなやつだ。
3浪して今回大学生になるという。(※1997年当時)

3年間の浪人生活は相当嫌だったようだ。
彼曰く、3年間の浪人の時より、今の1ヶ月の方がずっと充実しているとの事。
でも、分かる気がする。

IK君はキビ刈りが休みになると、よく釣りに行った。
釣りが好きなのだ。

しかし、OMさんから見ると、全く素人でお話にならないらしい。(笑)
「糸の縛り方も分からんで、釣りが好きなど10年早い。ハァー。」
波照間の人は、呆れた時、言葉の最後に「ハァー。」と言う。

高那崎で、ダツという60cm位の大きさがある魚を釣り上げた時の、IK君の嬉しそうな顔と言ったら。
満面の笑みで、目がキラキラ輝いていた。
しかしまたもやOMさんの一言。
「ダツなんぞ雑魚だ」

しかし、そんなのお構いなしで、IK君は(大物)を釣り上げた事に満足してるようだった。
釣った魚はOMさんの見事な包丁さばきで、刺身盛りになった。

あと数日

2008-04-17 20:57:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
1997年3月25日


キビ刈り隊に向けて、Uさんから手紙が来た。
そして、僕に忘れずに木工訓練校の資料を同封してくれていた。

Uさんの手紙を何度も何度も読み返した。
本土も春はすぐそこまできているようだ。


さて、キビ刈りもあと数日で終わるようだ。
実のところ、キビ刈りではあまり稼げなかった。
それでも、日本一周の残りを走れるくらいには金ができた。

どっちにしろ帰ったら、アルバイトなりして金を作らないといけないな・・・

ヨーロッパに行こうか?
それとも徒歩で日本縦断をやってみようか?
電車の旅もいいな・・・


僕の体も2ヶ月前に比べて筋肉もついた。
胸板が少し厚くなったのがうれしい。
華奢な体も、ある程度鍛えると、それなりになるんだなと実感した。

鎌の柄が、自分の手の形に磨り減った。
それだけ激しかったと言う事だろうか。

さて、キビ刈り隊に出入りした人の数、実に28人だそうである。
その中でほぼ始めからやっているのは5人。

いちばん古いのはOさんとT君と自分の3人である。
いったい何トンのキビを刈ったのだろう?
ゴールは目の前だ。

今まで、劣等感のカタマリだったけど、少しだけ自信が持てるようになった。

なにより僕を雇ってくれたOMさんのおかげだ。