派閥ボスらの思惑通り岸田文雄が新総裁になった。
意外だったのは、1回目の投票で1票差とはいえ岸田がトップに立ったこと。河野票が党員票でも前評判のような勢いがなかった。コロナ疲れが漂うなかで変化よりも現状維持を選んだような雰囲気だ。
議員票でも、土壇場の「勝ち馬に乗る」駆け込み逃亡で、見事に裏切られた河野太郎だ。
派閥ボスの壁を打ち壊せず面白みがなかった選挙戦。派閥ボスらが引き続き権力を牛耳る二重構造の闇で、国民のイライラは続くということになる。
トランプ張りの偏った主張を高市にさせ、前面に出て采配した安倍。ひとり選挙結果にほくそ笑む。思惑通り闇に葬ってきた安倍疑惑の数々にまた蓋をする政権が出来たというわけだ。
権力にしがみつき、世代交代を阻止できた麻生もしてやったりとほくそ笑む。
決選投票での党員党友票は、39対8で河野が圧倒した。安倍が石破を破って総理に返り咲いた時と全く同じ現象で、民意に近い党員票の結果とは乖離した政権が誕生するということだ。
「安倍菅政権を引き継がないほうがいい」と7割からの有権者が望んでいたものとは、真逆の結果を自民党の国会議員らは選んだ。
これで、世話になった派閥ボスらに気配りばかりする岸田政権が船出する。
さっそく、人事の気配りが始まった岸田文雄だ。