ここ数ヶ月はいろいろと周辺の構築に気忙しく、季節もぼんやりとしメリハリが無かったこともあり、ブログ用の言葉が浮かびませんでした。
今朝起き抜けに浮かんだので書いて(打って)みようと思います。
開院当初は本当に虫歯のお子さんが多く来られました。
治療しても治療してもしきれないほど。
それがここ数年は、やはり世の中が予防が大切とアナウンスした力でしょう、
虫歯でなく、予防的に歯石が気になって来られたりが多くなっています。
そして以前もお伝えしたかも知れませんが、
生え変わりがうまくいかないお子さん、かみ合わせが合ってない、つまり噛めていない達が多く来られています。
そういうことが大変気になり、
健康咀嚼指導士の資格を取得しました。
こう思っている、という思いだけでなく、
学術として信憑性を持つためです。
また、骨という組織の不思議さにも着目し、
骨代謝学会に入会しました。
臨床で皆さんの歯や顎を診ながら、
新しい知識を入れ、診ている臨床での気づきをミックスし、また皆さんの診断や治療に役立てるためです。
・歯の生え変わりに問題が出る
・上下の顎のバランスが良くない
・かみ合わせが上手くいっていない
ということが生じやすくなっているのは、
歯や顎の成長が上手くいっていないことにつながります。
そしてそれらは、身体の健康や、身体の発育、心の安定にもつながっています。
しかしながら現代は、
歯と歯を噛みしめる時間が大変減っています。
これらに気をつけることをしなくていい時代だからです。
「噛む食育」を推進し始めたのは、
やはり噛むことを気をつけてしなければいけない時代になっていると気づいたからです。
もちろん、先天的に遺伝情報によって、
歯の成長や顎の成長が上手くいかない方々もいらっしゃいます。
そういう皆さんは、自らの力では改善は難しいことので、医療の力を十分に利用していく必要があります。
ここでは、
自らの力をプラスすると歯や顎の成長の不足を予防できる皆さんに、力を発揮していただきたくお話します。
噛むことをする必要が出てくるのはいつでしょうか...
それは生後4ヶ月の離乳から始まります。
赤ちゃんに噛むことを教えることが、
最初の教育と言っていいそうです。
赤ちゃんには生まれつき様々な原始反射が備わっています。
お口にもたくさんあります。
その反射を、噛む反射に適時変えていくことが大切になります。
そして、幼児期、学童期、ティーンエイジと、
食べること、噛むことにこだわる必要があるのです。
食育は栄養や文化、マナーを学ぶものが多いですが、
「噛む食育」を学ぶ重要性を感じています。
人間は自分を含め、勤勉にはできていません。
便利で時短が好きな生き物です。
そういう道具を使い便利を推進してきたから、今の生活があるのですが、
それらは人間の持つべき力を格段に減らしているのも事実です。
だってラクだもん...
と思うお気持ち、わかります。
通ってきた道ですから...。
ただ、ゼロじゃなく、プラスすることは出来るのではないかと思います。
100点を目指すのでなく、10点、いえ1点でも上がればプラスです。
昔より食事の時間に噛む回数が減っています。
それは、噛まないでいい食事内容が多いからです。
また、身体を動かすことも減っています。
身体を動かすと、頭のくぼみにぶら下がっているだけの顎は、反射的に食いしばり、顎を固定しようという動きをします。
また、舌や粘膜を噛まないように、反射的に歯を合わせようとします。
口腔が乾かないように反射的に口を閉じることもします。
なんども「反射的に」と言いましたが、
人間は意識しないでやっている、
「反射」という行為がありますが、
身体を動かさなければ、
その反射力が低下してしまいます。
生後2ヶ月からベビーカーが使用できますが、
1歳まではお出かけの際のベビーカーは必須でしょう。
その先、歩き始めてから1歳半〜2歳前ぐらいまではまだまだベビーカーも必要かもしれません。
ではその先はどうでしょう?
必要なのはなぜでしょう?
大人の都合ではないでしょうか...。
ここから身体を動かすことは始まります。
そうやって、一つ一つ見ていくと、
本当に子ども達が、人間の力を発揮できる、身体力を育てられる機会が格段に減っていることがわかります。
食事をする力が無くなるということは
生命に関わることとも言えると思います。
早期教育や、バイリンガルを目指すことなど知能発達のために大切ですが、
それのために食べることを意識しなくなるのはよくありません。
歯科の予約を取る際に、
「おけいこで時間が無いから難しいんですよね...」
とよく耳にします。
しかし、きちんと健康な強い歯で年齢にあった食事ができ、子供達が長く健康で笑って暮らせる身体を持つことが、大切なのではないかと考えます。
噛んでよく食べることの大切さも、
プラスして下さいね。
ではまた...。