最近読んでいる本です。
本を読む時間も阻まれるほどにさまざまなことをやっていますが、それを理由にばかりもしていられません。
新しい知識をテレビやインターネットでのみ吸収しても、一般の方々と同じになってしまいますから、専門書も一般の本もなるべく読むようにしています。
テレビやネットの見たままを「こうだってよー」って言うのは、簡単です。
井戸端会議(カフェランチ会議?)の話題程度になってしまっていては、歯科医師・健康咀嚼指導士の仕事には不足します。
話している話が人に伝わる、という意味では私があまり風格の無い風貌なので、若い頃からかなり大変な思いもしました。
「こうですよ」と伝えても、「っていうかー、前の先生はこう言ったんでー」
と第一声では大体言われてきました。
話す時にワザワザ威圧もかけませんし、威厳もだしませんし、自分がそうされるのは嫌なことなので、そういう「自分スゴイ!」みたいなのを薄めて話しているからでしょうかね? 笑
え?じゃあ今はどこに何しに来てるの?
と思いますが、
診療所らしくなく相談ができる『駄菓子屋のおばちゃん』みたいな診療所、というのも私が目指してきたものなので、
まあ確かにそうなってしまうでしょう。
井戸端会議のおばちゃんや、駄菓子屋のおばちゃんを装う『専門家』なのですが...(変ですよね。)
ただ、患者さんが話をされることが大切だと考えていますので、対話することは優先できていますね。
この画像の本は専門書ではありません。一般の方々がお読みになっても大丈夫です。
しかし先述の、現場主義のリアルな実態が赤裸々に語られており、こちらの長尾先生は専門医として研鑽を積むこともされておられ、かつご自身の壮絶な人生体験も話していらっしゃいます。
それらを明るく優しく話しておられ、
大変読みやすくなっていますので、おススメします。
私は一般の人に何かをわかりやすく語ることをしていきたいと思っていますので、その時のためにそうやって、本を読んだり研修に出たりして、知識を深め、いい具合にブレンドすることに努めているわけです。
今月は歯科衛生士専門学校の授業が控えていますし、1月には幼稚園講演を控えています。
ちょうど読書の秋ですしね...。
8月の猛暑の中、健康咀嚼指導士の研修&認定試験を受けました。
画像の長尾先生の本を読んでいるきっかけは健康咀嚼指導士として、他科の「胃ろう」現場についてを知りたかったためです。
健康咀嚼指導士とは、食事をする時に噛むことで身体の健康を保てることを広める役割があります。
歯科衛生士専門学校では口腔生理学の授業をしていますが、
食べるためには様々な器官の働きがあります。
目で食物を認知→咀嚼(噛むこと)→口腔→咽頭→嚥下→食道...の働きです。
それらを人間は反射的に行っています。
嗅覚、味覚を脳で知覚すること、唾液など消化液が分泌することも、食事の際の器官の働きの一つです。
健康咀嚼指導士はその「咀嚼=噛むこと」についての大切さを広めるわけですが、様々に関わる他の知識も学習しました。
その講座の最後に学んだのが「胃ろう」について。
つまり、正しく口から食事を出来なくなるということはどういうことか?
ということです。
咀嚼を学ぶ場で、咀嚼出来なくなるとはどういうことか?も学びました。
(これらについて詳しくはまた機会あれば。)
身体的にはほぼ健康で、旅をしたり、いろんなお店でグルメを楽しみにできる人が、お口の中やかみ合わせのバランスを崩し、それがかなわなくなっている状態を診てきました。
歯科治療を施せば大抵噛めなくなっている状態は回復できます。
咀嚼する機能を歯科治療で補助してあげるということが可能なのです。
しかし身体的にも神経や反射が出来なくなると、歯科治療を施すことはできません。
出来ることは、患者さん自体の身体機能の訓練。
舌の動きだったり、飲み込む動きのための訓練になります。
それらも機能低下が見られた場合、栄養補給として別の方法を考えないといけませんが、対応法の一つに、「胃ろう」があります。
ただ、この本に繰り返し書かれているように、
胃ろうの造設には、造設決定の時点から大変慎重さを伴うようです。
また、胃ろうで栄養補給をしながら、お口を衛生的に保つことを施したり、飲み込む訓練を受け、口から栄養補給出来るようになる場合もあるようです。
健康咀嚼指導士として、知っておかないといけない「現実」「現場」だと思いながら、少しずつ本を読んでいるところです。