入れ歯のお話、つづき。
(よろしければ、「入れ歯のお話*その1,その2」をご覧下さい。)
入れ歯=小児義歯の調整を終え、ご機嫌で帰ったMちゃんでしたが、
お母さんから、一カ月も経たないのに予約の電話が入りました。
「入れ歯が割れました~! 修理できますか⁉︎」とのこと。
割れ方によっては作り直しとなってしまうため、
とりあえずMちゃんと一緒に来てもらいました。
当院にやってきたMちゃんは少しブルーでした。
お母さんは大変焦っておられました。
「入れ歯を洗って洗面台に置いていたのを、私が床に落としてしまって割ってしまって」
見ると、入れ歯の端の樹脂が少し欠けていました。
しかし機能には問題なく、院内で修理できそうでした。
「リュックサック...」
Mちゃんがつぶやきました。
「リュックサック?ああ!リュックサックみたいやね~」
私はMちゃんは上手い表現するなあ!と感心しました。
「本人はリュックサックって言ってるんです。」とお母さん。
Mちゃんの入れ歯は、前歯が無くなったところにはめるための物ですが、
ひっかけるワイヤーが左右両側の奥歯に二カ所付いていて、
ワイヤーを左右の奥歯にひっかける感じが、言ってみれば、まるで背中にリュックサックを背負う感じです。
お気に入りの"リュックサック"が壊れているため
ブルーなMちゃん。
そんなMちゃんのために、すぐにその場で修理をしました。
Mちゃんのお口の中で樹脂を使って修理するため、
接着剤系の匂いに耐えれるか?と思いましたが、
大丈夫でした。
入れ歯が直るか不安そうにされていたお母さんもホッとされ、
Mちゃんのご機嫌も直り一安心。
「大丈夫?痛いとこない?」に、
また、大人のように、お口をモゴモゴさせて確認するMちゃんでした。笑
「ちょうどいい」
Mちゃん的にはリュックサックを背負っている感覚でしょうか、
そんな表現の言葉で、ご機嫌で帰って行きました。
良かったね、Mちゃん!