うんたま森のキジムナー

バナナ

パラオで撮影の仕事が長引き、ベースにしている
ホテルからロケ現場まで往復船で2時間、
車で1時間、戻るのが面倒になり、現場の無人島で
ある日、夜を明かすことにした。水には
困らなかったが、問題は食事。
私は海に入って魚を捕ってくる。
現地スタッフは山に入ってバナナを取ってきた。
調理は現地スタッフ、「バーベキューにしょう」
と言う。どう考えても合わないこの二つの
食材でバーベキュー・・・・?

火を起こして石を焼き、ビーチに深く掘った
穴に焼かれた石をほりこんで、バナナの葉を引き、
その上に魚とバナナを乗せてもう一度
バナナの葉を乗せる。軽く砂をかけてその上で
火を起こす。蒸し焼きバーベキューとでも
名づけようか。出来あがったものは、バナナと
いうより芋に近い味で美味しかった。

これとまったく同じ作り方を宮古島で作った
ことがあるが、まずくて食べられなかった。
バナナの臭いが食欲をなえさせてしまう。
あのとき現地のスタッフがとってきたバナナと
もしかして種類が違うのかも知れない。
もう一つ、バナナ料理で好きなのが、皮をむいた
バナナをフライパンで炒めて溶かした
チョコレートでくるむ。これにバニラの
アイスクリーム乗せたもの。
海外のあるホテルで食べたものだが、日本では作って
くれるようなところはないだろう。

沖縄では雑草のようにバナナを見かける。
フィリピン産のバナナは安く売られているのに
雑草のように生えている地元産のバナナを買うと
なれば、フィリピン産の倍の値段がする。
どれも身近にあるバナナなのに手が届かないものだ。


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