うんたま森のキジムナー

なんくるないさぁ

南方の島の男は働かないと、言う話をよく聞く。
家族のために、家のために、朝早くから一生懸命働く人が
いる一方で、確かにほとんど働かない人をよく知っている。
「働きたくても仕事がないのに」
仕事に呼ぶと、遅刻してくるわ、二日酔いで無断欠勤するわ、
11半になると勝手に昼休みにするわ いくら忙しくても3時の
休憩は時計より正確 4時半には帰ってしまう。
慣れている私はいいけれど、本土から来た元受会社の責任者は、
「どうなっているんですか」
とカルチャーショックを受ける。

本土ならお金が無くなれば、食べることの心配が真っ先にくるが、
島でお金がなく飯が喰えないなんて、まず考えられない。
仕事をしなくても、なんとか食べていけるのが南の島。
知り合いの家か親戚の家にいけば、飯くらいは
食べさせてもらえる。

港でよく見かけるオジィは、私の知るかぎり20年以上
仕事などしていない。しかし、朝っぱらから三合瓶を飲んでいる
日もあれば、伸びた髪の毛を散髪している
ときもある。おまけにどこから借りてきたのかもらったのか、
自転車にも乗り寒い日には厚着もしている。

以前は私を見つけると「タバコをくれ」とよくきていたが、
そういえば最近見かけないなぁ。私もあまり人のことを
言えない。この数年、仕事らしい仕事なんて
したことがない。毎日、毎日、遊んでいるようなものだ。


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