とくに気にしたこともなかった。関西を離れて
30年以上がたつ。
色々なところを放浪してきて、やはり関西人はよくしゃべる。
口で失敗することが全国一多いのではないかと推測する。
祖母に育てられ、たくさんの昔話や物語を聞いて育った。
その中でも、何度も何度も繰り返し話してくれた物語がある。
産まれ育った近くに淀川という大きな川があり、河原を
よく祖母と散歩した。
その川の先にかかる橋に長柄橋という橋がある。
その橋にまつわる話で
「ものいわじ 父は長柄の人柱 キジも鳴かずば射られざらまし」
このあたりで育った者なら一度は聞く昔話。
物語を書くと長くなるので、ようするに「口は災いの元」
という戒めの話。何度も何度も聞かされたのに、私は一言
多い性格で、それを見越して祖母は話して
聞かしたのかも知れないが、あまり戒めにならなかったようだ。
動物園や山などでキジを見ると、ついついその昔話を思い出す。
そう、この数日前から、我が家の駐車場や玄関に
「キジバト」が居ついている。
他の鳩より少し小さく、警戒心も強くない。
公園に住みついている餌をもらいにくる
鳩のようではなく、やはりある程度人間との距離をおいては
いるが、まるで飼われているように海から帰ってくると
駐車場や玄関で待ち構えているようだ。
祖母が「口には気をつけろ!」と言っているような気がする。
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kijimuna
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