うんたま森のキジムナー

フーチバー(ヨモギ)

コイとかボラとか酢味噌で和えて食べる魚は、
何かクセのあるものであまり美味しいものと
出会ったことがない。
沖縄では、牛汁、ヤギ汁、アバサー汁、魚汁、
汁ものには、よくフーチバー(ヨモギ)が
乗せて出てくる。もちろんヤギ汁や
イラブー(ウミヘビ)汁のように独特の臭みが
あるものもあるが、汁物のほとんどにフーチバーが
入っているものだ。
臭い消しのためだけにあるわけではない。

沖縄では、フーチバ(ヨモギ)は、薬でネギを
薬味と言うように、薬として使われている。
気になる効能だが、腹痛、熱さまし、夏バテ防止、
倦怠感などに効くと言われている。
魚汁の上にヨモギをのせて出てくるのは、
昔は保存が難しかったからだという
話を聞いたことがあるけれど、別に前もって
腹痛薬としてヨモギが入っている
わけではないので、ごしんぱいなく。

実は私も沖縄にきた当初、汁物に乗っている
ヨモギが苦手で、注文するときは
「フーチバー抜きでお願いします」と言っていた。
今はフーチバーが入っていない汁ものは
考えられない。いつだったか、飲み過ぎて腹痛に
なったとき、オバァからフーチバーをすって
飲めと言われたが、オバァの家のテーブルの
上には正露丸が置いてあった。


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