入り浸っていた事がある。(居酒屋ではなく酒販売店)
当時、飲み屋街は活気があり土日ともなれば
通りは人が多く車が渋滞するほどだった。
その飲み屋のほとんどが、この酒店から酒を注文していたの
だから、島では知らない人などいない有名な酒店。
久しぶりに酒屋の息子と道でばったり出会った。
「元気にしているか?」と聞くと店は閉めて配達だけにして
いると言っていた。「お父さんとお母さんは?」と聞きた
かったけれど、年齢から察するにいないか、元気で
はないことはうかがい知れたのできなかった。
この店に入り浸っている頃、飲んだ帰りにタクシーに乗ったが
下りるときにお金がない事に気付き、酒屋で店番をしていた
オヤジに「チョット金貸して」と言ったら、なんと
引き出しから通帳と印鑑を取り出してきて「好きなだけ使え!」
と渡された。チラリと見ただけだったけれど、おそらく
すべての通帳の金額を合わせると億近かった
ことだけは、酔っ払っていても覚えている。
豪快なオヤジだった。
飲み屋の回収金が滞り、未収金の額は多い店で一軒あたり
一千万円もあったそうだ。普通、そこまでツケをさせておく
なんて考えられないが、人思いで面倒見の良い家族
だった。店を閉店したことを聞いて、おそらくもうオヤジも
オバサンも健在ではないと言うことだけはわかる。
娘は女優にでもなれそうな看板娘であこがれの的だったが
今じゃ、50を過ぎたオバチャンになっているだろう。
店はなくなっても思い出の中に大切に残っている。
元気なうちにお礼を言っておきたかった。
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