うんたま森のキジムナー

自然=神様

自然に大きく生活を左右される島の暮らしでは、科学の力
だけではどうすることもできないことが多々ある。
あちこちにある御嶽も神を恐れることをあらわしている。
勝手な思い込みかもしれないが、島で神=自然なのだとよく思う。

唄の合いの手に「マタ ハーリヌ チンダラ カムシャマヨ」
この合いの手には所説色々とあるけれど、
「死んだら、神様よ!」という説がある。
その通り、沖縄では亡くなれば仏になるのではなく先祖になり
先祖は神様でもある。
こんな考えを持てば、案外死ぬことがそれほど怖いものではない。

オジィやオバァは、よく「早くアッチに行きたさぁね。」
と口にする。最初のころは「そんなことをいうもんじゃないよ。」
と言っていたけれど、長く住んでこちらの生活に馴染んでくれば、
「向こうも楽しそうだね。」と
冗談も平気で言えるようになってしまう。

そして沖縄にはこんな言葉もある。
「グソー雨どいの下にある。」
グソーとはあの世のことで、この言葉からもあの世とこの世の
身近さを物語っている。
御嶽にはそれぞれ、その方面に詳しい人が管理しているもの。
それを管理する人が少なり、御嶽の場所さえわからなくなって
いるところもある。つまり後継者がいない。
やがて残るのは有名な御嶽だけになってしまうのも
そう遠い日ではないだろう。


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