予報で天気が崩れることが前もってわかっていれば、無理を
して海に出ていかないけれども、予報もはずれることがある。
漁に出ていて最後の1本を潜り終える頃に大雨が降りだした。
雷、雨、そして強い風に船は子の葉のように揺られ、港の方向
さえわからなくなってしまった。
船はそう簡単に沈まないが、ひっくり返ることはある。
おそらくその前に、乗っている者は海に投げ出されるだろう。
そんな危険な状態でも、時化に慣れている漁師連中は自分が
海に投げ出されるよりも捕った魚が海に流されないように
クーラーボックスを抑える。
「今日は戻れないんじゃないか!」笑って言ってる。
「落ちるなよ!ウェイト(重り)でも巻いておくか!」
普通は落ちたときの為に浮力を確保する事を考えるが、まったく
逆の事を言う。誰かが海に投げ出されたときに、この時化の中で
さがしたりするほうが危険だから落ちたら終わり!
冗談か本気かわからない。
大荒れの海の中で冗談を言える者達と一緒に船に乗っている
のは心強い。でも、こいつ達と一緒に川を渡りたくはない。
雷にも打たれず、船もなんとか港にたどりついた。
「さぁ、帰ってビールでも飲んでねるか!」
私もたいがい無茶をするが、こんな連中と20年近く一緒に
海に出ている。
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