きたお客さんが口を開くのは
海の話ではなく「わぁ～すごい星空！」
（晴れているとき）
ほとんどの方が、まずオリオン座を見つける。
その次に北斗七星、その後に「北極星は・・・？」
とよく聞かれる。北極星は、そんなに大きく光り
輝いている星ではない。
なれていなければ見つけにくい星だ。
北斗七星のひしゃくから５倍した場所にあり、
カシオペアから5倍の場所と言われても
わかりにくい。宮古島からなら真北の24度の
角度で東京からなら35度の角度に見える。
子供の頃、父親に北海道に連れて行ってもらった。
北海道大学へ行ったのを覚えている。
おそらく父は私を北大へ行かせたかったのだろう。
親の思惑から大きくはずれてしまった。
小さい頃の記憶なので、あまり覚えていないが、
ホテルに置いてあったピアノで
父が北大の寮歌をひきながら、私に聞かせたそうだ。
その後にベランダに出て
「あれが北極星や」と教えたらしい。
おそらく私が生まれて初めて北極星を見た
瞬間だったのだろう。
「さやめく甍に、久遠の光、おごそかに
北極星を仰ぎ見るかな」
札幌から見える北極星は43度、仰ぎ見た記憶が
まったくない。記憶をたどる事が出来るなら、
父の弾き語りと北極星までさかのぼりたいものだ。
