うんたま森のキジムナー

多子

タコの話をしていたら、忘れかけていた悲しい出来事を
思い出した。

昔々、いつものように海に潜っていると、珍しい足の親指ほどの
小さいタコを見つけた。観賞魚採取もしていたので、
捕まえたタコを持っていた瓶に入れて持ち帰った。

そして水槽を準備して飼うことにした。
外国のSF作家が宇宙人をタコに描くほど
タコは海の中に住む知的生命体。餌を覚えるのも早く
砂の中に隠した小さい貝もすぐに見つけて食べる。
そのウチ私が近づくと餌をもらえることを覚えてよって
くるようになった。あまりにかわいいので「多子」と
名付けてしばらく飼っていた。

この「多子」を飼い始めて数週間たった頃に、なんと又
小さなタコを捕まえた。
まるで「多子」が超能力で呼び寄せたかのように。
それを同じ水槽の中に入れてやると、その喜びようは
尋常じゃなかった。

60㎝の水槽の中を仲良く歩き回る姿を目を細めていつまでも
眺めていたほど。
そのタコには「億人」と名付けた。

しかし楽しい日々はいつまでも続かない。
一カ月ほどたったある朝「億人」が原因不明の
死をとげていた。「多子」は、そのそばから動かずホントに
悲しんでいるようだった。

そしてその日から元気をなくした「多子」は餌もあまり
食べなくなってストレスからか
自分の手足を食べ始めた。

そしてその日がやってきた。朝、起きて餌をやりに行くと
水槽から飛び降りて死んでいた。残った2本の手足でこの水槽を
どんな思いで登ったのかかわいそうな最後だった。

(あのね・・・これね、ホントの話)

私の初めてのペットロス。



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