「風の盆」に行って来ました。小説(高橋治の「風の盆恋歌」)は読んだことがないのですが、以前から、一度行きたいと思っていました。石川に住む友人は何度も行っていて、いわば通。「11時過ぎからがいい。」ということで、駐車場の八尾スポーツアリーナからのシャトルバス9時最終に乗るつもりで行きました。ところが、駐車場は満車で、もうどこも駐車できないという係員の返答に一同蒼白。困り果てて、せめて近くに友人夫妻と夫を降ろして駐車場を探そうと思って移動すると、車の障碍者マークが目についたのか、親切な誘導員の方が、特別なシークレットスペース(誰でも利用できる)を教えてくれて、無事車を止める事が出来ました。
街はけっこう坂が多く、しかし電動車椅子で不便を感じるほどではありませんでした。最初は「舞台踊り」を遠くから見ました。次に「輪踊り」。3歳くらいの女の子が、お母さんの前に後ろに踊りながらついて行く様は、可愛らしくなんとも愛おしく感じられました。草履を返して決めポーズを作るところ、膝を曲げて2秒間くらいそのままの姿勢を保つところなど、自分で学習したのだとしたら凄い!将来は女踊りの名手となることが約束されています。私たちは12時半頃までおりましたが、小学生、中学生、高校生も輪踊りには参加していました。友人も輪踊りに参加して楽しんでおりました。フラッシュ厳禁なので、写真はあまりよく撮れていません。
その後、「街流し」を見ました。行燈の灯りで照らされた街並みはそれだけでも幻想的ですが、胡弓、三味線、太鼓の音が加わって歌も入り、男踊り、女踊りを一緒に間近に見ると、まさに異次元。男踊りの仕草に目を奪われ、女踊りの手のひらの動きにうっとりして、時はどんどん過ぎて行きました。日も変わろうという真夜中に、「ブラック焼きそばは是非食べて!」という友人の勧めで、夫と半分ずつ食べました。初めての味でしたが、なかなか美味しく、「半分じゃない!」と文句が出るほどでした。
友人の話では、最終電車や駐車場へのシャトルバスが終わる11時以降、観光客がどっといなくなってからが本当の風の盆。しっとりとした風情があって自分たち自身が心おきなく踊り楽しむ祭りになるということです。胡弓弾きも歌い手も、もちろん踊り手も町内ごとに変わるので、町内ごとに味わいが違います。どこの町内で踊っているかはわからないので、それこそ巡り合わせです。最終日は明け方まで踊るということなので、来年は是非最終日に来たいものだと思いました。1時以降は、「この町内の街踊りを見るぞ。」と、狙いを定め、キャンプ用のクッションマットなどを持って行って、まったりおしゃべりを楽しんだり、男どもは寝て待つくらいがいいかも知れません。
初めての風の盆。真夜中の不思議な世界。異空間にいるような錯覚を誘う情念の踊り。足は棒のようになりながらもたっぷり楽しめました。そしてそれは友人夫妻と一緒だったからこそ楽しめたという事が言えます。病気をものともせず奇跡のようにみんな元気に生きている。来年の「風の盆」最終日、4人で元気に来られますように。
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