「アーカイブス 中国残留孤児・残留婦人の証言」ゲストブック&ブログ&メッセージ

左下のブックマークをクリックするとホームページ「アーカイブス 中国残留孤児・残留婦人の証言」にアクセスできます。

国際善隣協会での講演

2024年03月16日 21時40分17秒 | 取材の周辺
 一昨日、新橋の国際善隣協会で講演をさせていただきました。人前で話すのは、およそ20年のブランクがあり、1か月前からパワーポイントを作り始め、各々の証言のハイライトを抽出して、なるべく沢山の残留孤児・婦人・周辺の証言を聞いていただこうと苦心していました。
 講演1週間前になっても、スライドショーは講演時間の90分以内に収めきることができず、例えば3分20秒の録画を2分50秒に撮り直すというような細かな作業を多数繰り返して、講演2日前に、やっと90分以内に収めることができました。
 いつもパソコン作業は、老眼に優しい大きなモニターのデスクトップを使っているのですが、会場に持っていくノートパソコンでの操作も慣れておく必要があると思い、もっぱら1週間前からは、ノートパソコンを使用していました。
 当日はパソコンの設定などもあるので、講演の1時間前に着くように言われていましたが、余裕を持って1時間半前に着くように家を出ました。スーツケースには会場で希望者に分けられるように数冊づつ自著を入れ、参考資料数冊と旧満州の大きな地図などを入れ、持ち上げてみるとかなり重い。最寄り駅まで歩くこともありますが、スーツケースを車に積んで駅前の駐車場を利用することにしました。ところが駅に着いてみると、人身事故があったという放送が流れていて、ダイヤは乱れ遅れていた。それでも指定された時間より7分遅れで国際善燐会館に着きました。7階で温かく迎えられ、熱いお茶をいただき、5階の講演会場に一歩足を踏み入れた瞬間、私は倒れそうになった。パソコンもパワーポイントのデータも忘れてきたことに気が付いたのだった。保護ケースに入れファースナーを閉めて、コードをその上に置いた。それをスーツケースに入れることなく、私は早めの昼食を用意し食べたのだ。
 目の前が真っ暗、とは、こういうことか。どうする!どうする?考えろ!パワーポイントなしで90分話すなんて無理!無理!でも、やるっきゃない!と、覚悟を決めました。
 そこでまず、自著を4冊そろえ、取り上げたい証言にポットイットを張り、お借りしたパソコンでホームページを立ち上げ、取り上げたい証言の各々のページを開いておいて講演を始めた。紹介したい場面がすぐに見つかる訳もなく、どれだけ参加者の皆さんの時間を浪費したことだろう。秒単位で動画を短くしていたことが嘘のようなダメダメめちゃくちゃな講演になってしまいました。
 それなのに、参加者も主催者側の皆さんも優しく助けてくださって、最初は身も凍る思いでしたのに、講演が終わるころには暖かな気持ちになっていました。講演の後、名刺をくださった数名の方は、いろんな意味で中国や旧満州にご縁のある方々でした。

 2019年から4冊の本を出して、2022年に『不条理を生き貫いて 34人の残留婦人たち』の改訂版を出しました。あとの3冊はkindleやオーディブルにしようと思いながら、校正は遅々として進んでいません。家族の病気、自分の腰痛、不眠症、ドライアイ、、、理由はいくらでもあります。「少し休みたい」それが本音かも知れません。
 たまたま国際善隣協会から講演依頼があった後、二つのところからも立て続けに講演依頼が入りました。これまで講演なんてやりたくないと思っていましたが、本を出して終わりではなくて、こうして関心のある方々と双方向の交流ができることは素晴らしいことだと思いましたし、本やホームページを知っていただくことにもなります。
 めちゃくちゃな講演だったのに、今私の胸には「楽しかった」という思いが占めています。残りの講演も「楽しかった(けっして楽しい内容ではないのですが)」と思ってもらえるように、また、私自身も「楽しかった」と言えるように出来たらと思っています。
 国際善隣協会の皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿