歴女ピアニスト:ピアノコンサート&イベント日記

コンサートホール、社寺、博物館の歴史講座などで歴史トーク&演奏している珍し~い「歴女ピアニスト」のブログ。

「古戦場のピアニスト」?

2023-01-16 11:28:42 | 日記
ピアノ仲間の先輩に「古戦場のピアニスト」と
呼ばれている方がいます。
「戦場のピアニスト」じゃないですよ。
「古戦場のピアニスト」です。

彼女はある有名な古戦場ある場所に
お住まいです。昔、古戦場だったところも
今は閑静な住宅地となっていました。

「今は普通の住宅地。ただ地名にその面影が
残っているよね。この地区にある”皿池”という
地名、もともとは”皿”じゃなかったそうだよ。
”皿”という字によく似た、ある文字だった。
戦国時代、ここで激しい戦闘があったらしい。」

「この家の地下深くに誰か戦闘の犠牲者が
埋まっているかもしれないね。
でも、私のピアノを聴いて心安らかに
成仏してね、と思って練習しているよ。」

「いや、古戦場のピアニストさんの
カッコいい英雄ポロネーズ聞いたら、
ここに静かに眠っている武将さんは、
ああ、蘇って、もう一度戦場で
戦ってみたい!と思うかもね。」

「でも古戦場なんて、どこにだってあるよね。
戦国時代なんて、日本中で戦いがあった
じゃない?みんな知らないだけだよ。
言ってみれば、私も、あなたも、みんなも
古戦場のピアニストなんだよね。」





確かにそう言われてみると、そうかも。
でも、「古戦場のピアニスト」さんの
家の近くにあるホールに行く道の途中、
何かちょっと怖い場所がありました。

「そう、そこなんだよ!古戦場激戦地!」
他にも通るとちょっと怖い感じの道って
あります。これ、考えすぎですか。

古戦場跡にホールが建っていることも
ありました。あるコンサートに出演した時、
出演前に主催者さんの挨拶がありました。

「その昔、ここで大規模な戦いがありました。
ホールは最大の激戦地跡に建っています。
今日はお彼岸です。今日のコンサート、
少しだけ、戦いの犠牲者を供養する気持ちを
入れて演奏していただけると有難いです。」

その会場、楽屋には私一人のハズなのに
誰かがいるみたい。楽屋のピアノで
本番前に練習していると、誰かが
聞いているような気配があったのです。
気のせいです。古戦場、気にしすぎですね。





コンサートが始まりました。
会場は満席。本番はあっという間でした。
とても暖かい気持ちで聞いて下さる
お客様の姿を感じて演奏できました。
もしかすると、戦いの犠牲者の方々にも
聞いていただけたのでしょうか。
私も「古戦場のピアニスト」ですか?


















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