舞踊家 木室陽一 きむろよういち おどるおどる

木室陽一の舞踊活動が、次第に明らかに。創作・舞台・即興。彼は何処に居て何処に向かうのか。現在、愛媛・中島にて島暮らし中!

ロスト

2010-09-17 23:36:00 | 東京の条件 work編


「まちあるきおどり」中目黒編・初日、夜の回。


お客が1人だったせい。か?

それとも夜は人々が内に閉じるせいからなのか。

呼ばれる感覚が長続きしない。
途切れ。
見失う。

さまよい、
途方にくれつつも、
確かに美しい瞬間はあった。
が、
風はとぎれ、
無関心なぽっかりした空間があくばかり。



はじめから、やり直してみる。
改札の脇の木に、
実はそんな所にヒントがあったりする。

自分を燃やすよりどころが、いかに生まれるのか。





序盤で、改札で人待ちをしていたらしい方が、見ていたお客さんに声をかけた。

ほとんどの人は気づかないか、目にしても気にせず無視してしまう中で、
その初老の男性は、
踊る僕をずっと注視していたらしい。

やがて「東京も捨てたもんじゃないですね」と、
言われたそのお客さんは、泣きそうになったそうです。
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はじまり

2010-09-17 16:40:33 | 東京の条件 work編


本日「まちあるきおどり」中目黒編、初日!

そして、『東京の条件』WORKS 2010も今日から開始。


つまりは、
僕が今回のシリーズの記念すべき1作目となったらしい。


   


よい天気。
そして風は爽やか。
高架下は騒々しく、
改札への人々は止むことなく、
車、標識の音、列車の軋み、

に、
行きつ戻りつ。
風に流され、日に向かうも、阻まれ戻り、
人々の間をぬって進んでも、果てて帰り、
日だまりにやるかたなく座り込む。

と、
その前を巨大な鉄鋼を積んだ工事車輌が、無理な程の道に分け入ってゆく。
ついて行く途中で、切手を数枚拾う。

大きなものと、小さなもの。

鉄鋼の押し込まれて、開いた道の陰を日なたまで行く。
並ぶ自転車、話す老女、
車に押され、トンネルに入ると、滴る水。
土を掘る音。
緑。

日だまりから、商店街に軽やかに。

のどがかわく。


日と影のはざま、なんの変哲もない通りの途中。

流れと空気がそこだけ止まる。

気づくと側には緑に覆い隠せられた建物。

けだるい商店街の音楽。
行き過ぎる人々もゆるやかに見える。
あつさと涼やかさ。
建物と人。
すぐ裏を通る列車が、遠く聞こえる。


そんな午後。


     
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