安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

原点

2010年02月03日 | 月刊ブログ
 2月の時候のあいさつを「余寒」と言う言葉で表します。暦の上では節分のころ、大寒が明けてすぐの立春以降の寒さを言います。春とは名ばかりで、日差しは強くなってくるのに温かさがついて来ない、そんな季節のことでしょう。
今月の写真は、ネコヤナギ。雪をかぶった中にも、春が待ち遠しいと芽吹いています。これを冬芽と言うそうです。まもなく中から真っ白なビロードのような毛が現れて来ます。名前の由来、猫のしっぽのような綿毛です。春の到来が待ち遠しい時期ですね。

 先日、学生に借りて読んだ詩集の中に「原点を忘れなければ どこへでもいけばいい」という一文を見つけました。
 私の「原点」は、結婚後10年くらい経って、もう一度働いてみようと思ったときに出会った会社です。

 私はよくその話を学生たちにもします。
その会社では、今まで知らなかった世界を体験できたことと、そこで学んだことが、今の教員生活で十二分に生かされていると思っています。

 仕事の内容は、社長の秘書兼雑用係。環境に配慮した機器をイギリスから輸入する会社です。自宅の一室に設けられた事務所には、事務処理をするために必要な機器は一応揃えられていました。
 そこで私は、慣れない手つきでパソコンを操作し、経理事務所から習ってきたばかりの薄っぺらい知識で帳簿をつけ、東京の大手企業と一人前の振りをして敬語で応対する。また、はじめて見る英文タイプで航海用の保険の文書を作成したり、見たことのないような海洋生物の写真を、当時まだ珍しかったカラーコピーをして、研究用の資料を作成したりしていました。

 そこでの仕事を含めた日々は、その環境に少しでも適応できるように、ずいぶんと背伸びをして仕事をしていたのを思い出します。

 その会社で学んだことは、たとえ今までやったことがないことでも、決してできないとは言わないこと、チャレンジしてできるように努力すること。「できるできる」と自分に暗示を掛けること。
 また、社会人として大切なことは、人との関係、それも伝えたいことをどのように伝えられるか、です。

 その会社が福岡に移転するということでやむなく退職したあと、私は現在の専門学校に採用されました。
 専門学校は、これから社会に出る人のための学校です。いろんな知識や技術はもちろんですが、私たち教員が若い人に伝えることは、他にもたくさんあります。むしろそのサイド知識の方が多いときもありますし、大切なこともあります。
 机上の知識だけでなく、今までの自分が体験したことから伝えたいことはたくさんあります。
 
 先日、長崎校では、2年生の卒業論文の発表会がありました。会場はロイヤルチェスターホテル。立派な会場で、学生たちは、自分が研究した内容をうまく伝えることができたのでしょうか。
 人に何かを伝えるためには、伝えたいという強い気持ちと、伝える技術も必要なのかもしれませんね。
 
 これから社会に巣立つ学生たちにとって、それぞれが「原点」を見つけ出すことになるでしょう。この学校が、学生たちの社会人としての知識や技術を学んだ「原点」になれば、私たちはどんなにうれしいでしょう。
 
 明日は、佐世保校での卒業研究発表会です。思い出に残る作品と発表になればいいなと思います。
 
 そして、あとは卒業式を待つばかりです。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。