安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

実りのとき

2009年10月03日 | 月刊ブログ
 黄金色に実った田んぼのあぜ道に、色彩的にはとても馴染めないほどの真っ赤な彼岸花が群れて咲いています。これからしばらくは、キンモクセイの香りと共にすべてが秋色に染まっていきます。大好きな季節の始まりです。
 先日、学生時代の部活動の同期会で、大分湯布院に行きました。当時は一日の大半を部活動に費やし、親よりも兄弟よりも、その仲間と一緒にいる時間が長く、なんとも特別な信頼関係が出来上がっていきました。
 昨年、卒業以来はじめて集まって、その空白の時間の長さに驚いていましたが、今年は1年ぶりで再会し、それでもやっぱりまだまだ懐かしさでいっぱいでした。今年はじめて参加した、私が特に親しくしていた人とは、当時のことを話しているだけで目が潤んできそうでした。
 20歳前後の悩み多き年代に、共有した時間と空間は、人間的に大きく成長させてもらった時期でもありました。部活動を通して、仲間でもあるけどライバルでもある部員と、小さないざこざはいつも発生し、それと同時に自分自身の中での葛藤やジレンマ、自分だけがだめなんだと落ち込んだり、人をうらやんだり、いろんな感情が交錯していた時期でもありました。
 その当時のことを思い出すと、今、自分の周りにいる学生たちも、きっとこのような悩みや葛藤を抱えているのではないかと、気づかされます。
公務員科の学生たちは、今、この数ヶ月の勉強の成果が形として現れるかどうかを、息をこらして待っています。もうすぐ9月に行われた公務員試験の発表だからです。
 形として表れる成果と、心の中に残す成果とは、もちろん前者の方がいいに決まっています。でも、今の時期に悩んだり苦しんだりしたことは、社会人になっても、人の親になっても、自分を強く保つことができるし、立ちふさがった壁に向かって、少なくとも乗り越えようと努力することができます。そしてなお、人の痛みがわかる人間になれます。スポーツでも勉強でも今の時期に夢中になって取り組めることが、自分自身にとって大きなチャンスであり、きっと幸せなことなのでしょう。
 この4月から一生懸命勉強に取り組んできた学生たちの心の中には、ある種の満足感達成感が生まれているのではないかと思います。
 今日は、珍しい人が訪ねてきてくれました。去年の卒業生です。今は福祉施設で仕事をしているとにこやかに話してくれました。仕事はきついけど楽しい。一生懸命がんばっているから楽しいんだと思う、と彼女は言いました。私は、そのように考えられる人になった成長ぶりがうれしくてちょっと目頭が熱くなりました。心なしか顔つきも凛としてなお美しく感じられました。これからもがんばってくれるといいなと、思いながらいろんな話を聞いていました。
 寒い冬に向かってその準備をする「秋」という季節。たくさんたくさん蓄えて大きくなって社会に羽ばたいていってほしいなと思います。

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1 コメント

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Unknown (おおくぼ やすひろ)
2009-10-07 21:52:03
ブログ読ませて頂きました。たった4年間同じクラブにいたと言うだけで、今でも付き合っているのは、どうしてかなと同期会の様子をおしえてもらって、考えています。
子供たちにも、弓道部の仲間たちの様な友達が
できることを願っています。

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