鞆を出て、尾道に向かいます。沼隈方面に向かう鞆の町中の道路が1kmほどの距離でしょうか、とても細い。すれ違い困難と書かれています。私は絶対にそんなところに入り込まないけれど、ご主人様は進んでいきます。鞆に橋をかけるとか、いや景観保存だとかで大きな運動になったのをぼんやりと覚えていますがここのことだったんですね。
沼隈半島を時計回りに回って1時間ほど。尾道の町に到着。…はいいけれど日差しは強い、空気は暑い、それに眩しい。今日も安定した酷暑です。
尾道の町を歩くのはおそらく初めて。学生のころに広島の先輩がクルマでここを走ってくれた。また山陽本線の車窓から景色を眺めたことはあるはずですが、それも遠い昔のこと。山陽新幹線はここを通りませんから、自分の目でじかに景色を見たのは30年以上も前のことでしょう。それでもよく知っている気がするのは映画やテレビのせいでしょうか。
とりあえず千光寺ロープウェイに乗ってみよう。外国人にとっても魅力的な町のようで、外国語を話す人たちもこの暑い中たくさんいたのでした。暑い季節に日本にやってくる外国人たちを見ると、どうしてこんな修行みたいに暑い季節を選んで、高温多湿な国にやってくるかねぇといつも思いますが、考えてみれば私だって暑い中を出かけているわけです。あまり変わりません。
ロープウェイを降りたら千光寺公園。見晴らしがいい展望台が作られています。尾道水道。大きな川の河口部のような細長い海がどういう理屈でできたんでしょうね。不思議なものです。
展望台から町を見下ろした後はみんな同じように「文学のこみち」を通って千光寺境内に入り、町中に降りていきます。お寺の敷地をかすめるようにすべるロープウェイのゴンドラが迫力です。斜面には絵になる建物が多いように見えます。本堂横の風鈴が涼し気です。涼しいと涼し気は違いますよ。風鈴まつりという風鈴の奉納だそうです。
地図で確認すると千光寺通りという坂道を通って降りてきたようです。私たち観光客は登りはロープウェイに運んでもらって、降りていくだけですからさして苦労はしないけれど、坂の途中に住んでいる人たちは大変なことだと思います。途中に幼稚園があって、子どもたちがプールで水浴びをしていました。保護者は毎日幼稚園まで自分の足で子供を連れて送り迎えをするのでしょうね。
長崎の坂も同じだと思いますが、遊びに来たよそ者は、坂道に風情があっていいねぇなんて呑気なことを言います。確かに絵になる景色ではあると思います。しかし、生活するとなるといろいろ大変なことでしょう。坂を降りて山陽本線の踏切を越え、国道2号線を渡ったらアーケード街に入る。振り返って坂を見上げると、なかなかの景色ですよ。
それからクルマで駅の西側まで走って、国道沿いの小さなお好み焼き屋に入ります。尾道焼なるものを食べる。考えてみても広島県でお好み焼きを食べたことがありません。ソースのこってりが苦手でお好み焼きを進んで食べないほうです。家で出される場合はマヨネーズ醤油で食べるような私です。店内にほかにお客さんがいないのに、でっかい鉄板の上では何枚か焼いている様子。やがてお持ち帰りで商品を取りに来たのが制服のお巡りさん。この辺りの人たちはこうして昼ごはんにもお好み焼きを食べるのですね。麺が入ってるので1食分の食べ応えはあります。
おたふくソースのサイトによれば、「尾道焼きの特徴は、歯ごたえのある砂ずりといか天を入れること。」なのだそうです。その尾道焼きを注文してみました。いか天というのが、ビールのつまみなどで出てくるスナック菓子のいか天。あのへべたいヤツ。砂ずりの弾力感とあいまって、おいしかった。広島県の人はおたふくソースかカープソースかで好みが分かれると聞いたことがあります。このお店はカープソースでした。そうか。それでご主人様はこのお店を選んだのですね。ご主人様はカープソースのファンで、今回も福山市のスーパーでカープソースを大量買いしていました。
今度は倉敷まで戻りました。広島県から岡山県へ移動です。倉敷も日差しが強く暑くまぶしい。なのに、この観光客の多さはどうだ。尾道とは比べ物になりません。修学旅行らしい高校生もいます。新渓園に入って一休み。折角の庭園も暑さでしっとり感を失い、ちょっとかわいそうでした。
そういや、子どもたちが小さいころ、一度来たことがありました。今はなくなってしまったチボリ公園。白壁のイメージを模したものだろうか、ちょっと変わった倉敷国際ホテル。
倉敷川の周りをぐるぐるして、冷たいコーヒーを飲んでおしまい。午後の日差しは体力を消耗します。アイビースクエアまでいく元気が残っていません。
さて、尾道にも倉敷にも山陽新幹線の駅があって、それぞれ駅名が新尾道と新倉敷。二つの市の共通点を無理やり考えてみました。新倉敷は在来線(山陽本線)倉敷駅のひとつ西側の駅、新幹線と在来線との接続駅です。新尾道は在来線と接続していません。そのせいか、乗降客は少ないらしい。しまなみ海道を自転車で走りたいという人は多いでしょうし、彼らは自転車で走るために電車に乗ってくる人たちでしょう。新尾道駅も多くの人たちがやってくる玄関になればいいなと思います。
(2023年7月訪問)
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