ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

「妻のトリセツ」黒川伊保子 講談社α新書

2019-09-03 20:46:55 | 読んだ本

 例えば、女性から投げかけれてこられる悩み事。打ち明けられたこちらとしては、何らかの解決方法を提示してあげなければと、ない知恵を絞るのです。でも、女性が求めているものは的確な解決方法ではなくて、「そりゃ大変だねぇ」という共感だといいます。そんな生産性のないこと…と男は思います。その上に、人にさんざん考えさせといてそのアドバイスはまるで聞かなかったかのごとくの行動。

  例えば、クルマを買い替えることになったとしましょう。どんなジャンルのクルマにするのか予算はどれくらいかを考え、あらかじめ候補になるクルマを絞り込んで、下調べをする。販売店には、ポイントになる部分を実際に目で見て確認するために行くものと考えます。しかし、女性というものは予算だとかジャンルは後付けであって、心にぐっとくるかこないかが大切だといいます。予算もジャンルも違うクルマを比較せよといわれても、モノサシが違うので男には比較ができません。

  それなりの年齢にはなったのに、女性の、特に一番身近にいる家族の考えていることが理解できません。

 筆者の名前には記憶があります。20年くらい前になるでしょうか。『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』というタイトルの本を読んだことがあります。その黒川伊保子さんに、今度は『妻のトリセツ』という書物で出会うことになりました。本屋さんでこういう本が目に留まること自体が、日頃の自分を物語っているというものです、残念ながら。

  筆者によれば、そもそも女性脳と男性脳とでは構造が違うのだそうです。男性は会話の主たる目的が問題解決であるのに対して、女性は問題解決よりも共感欲求が高いそうな。女性脳は感情に伴う記憶を長期にわたって保存し、必要なときに瑞々しく取り出すのが得意。じゃ男性脳はというと、そういう能力が低い代わりに空間認識能力に長けており、距離や位置関係の把握に敏感なのだそうです。

  一冊の新書本ですが、「そうだよね」、「なるほど、そういうことだったのか」と、割にサクサク読んでいけます。

  また、男の立場で読んでいると結構怖い。こんなことにも注意しべし。という筆者からのアドバイスの連続です。例えば、「妻に嫌な思いをさせる発言と行動を知っておこう」だとか、「夫が気づかない『妻を絶望させるセリフ』」だとか。こんな本、早く通り過ぎてしまいたい!で、読んでしまう。しかも、そもそも男女のすれ違いは男が悪いのではなくて、そもそもが脳の構造の違いだといいながら、男にばっかり注意書きがあるなんて、不公平じゃないか。改めて題名を確認すると、『妻のトリセツ』。男性向けの新書だったのです。怖い怖い。

  こういう一冊を手元に置いておくのは気が重いので、長男に送ってしまおうっと。


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