ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

河童橋~諏訪湖   そうだ 長野、行こう(6)

2018-12-18 18:41:53 | PiTaPaより遠くへ

 シャトルバスでは少しウトウトしたようです。アカンダナ駐車場でバスを降りて、第3駐車場へ戻ったら、朝とおんなじ3台のみ。広い第3駐車場に朝から3台しかクルマが到達していない。

 ここから諏訪まで走ろうと思うのですが、その前にひとつ行っておきたいところがあります。安房峠です。現在は1997年に開通した安房トンネルによって岐阜県の平湯と長野県の中ノ湯間は楽に行き来できますが、私の修学旅行時は安房峠を越えて長野県入りしました。髙山から上高地に向かうのに、平湯峠と安房峠のふたつの峠を越えたという記憶はあります。麓から徐々に高度を上げる印象の平湯峠に比べて、安房峠は比較的小さな山越えだったような気がしていたのですが、どんな景色だったか、もう一度見てみたいと思ったのです。
 21世紀の今は、現地へ行かなくてもグーグルストリートビューがあります。その画像を見ていて疑問を持ったのは、こんな細い道だったんだろうかということです。私たちの修学旅行一行は8クラスでフルサイズ観光バス8台。10月は行楽シーズンでもあり観光バスも多く通過したでしょうし、一方通行ではありませんから、対向もしなければならなかったはず。タイトなコーナーも多くあります。そんな心細い峠越えを本当にしたのだろうか?自分の目で見てみたい。


 アカンダナ駐車場を出ると国道58号線。上高地や松本方面を目指すクルマの多くは右折して安房トンネルを走ります。私は左折して峠に向かうのです。確かに登り始めてヘアピンカーブがみっつ。右手に平湯温泉を見下ろしてさらに進みますが、観光バスの擦れ違いは簡単ではなさそうな道幅。地図で確認するとアカンダナ山の中腹を緩やかに登って行くようです。ほとんどクルマは通りません。今度は安房山の中腹に乗り換えて、100mほど標高を稼ぐと安房峠です。峠で道端にクルマを停めて案内板を確認。「安房峠1780m」と書かれていました。


 峠を越えたところにスペースがあったので少し休憩。正面には穂高あたりの山が見えます。今朝、歩いた上高地もこの方向にあるはず。ほぼ直線で1.5kmほど下った後が、大変なヘアピン続き。その数11箇所。道の狭さより、タイトなコーナーが胴体の長いバスには大変だったのではないかと想像します。何度も切り返しをしたのかも。つづら折りとはこういう時に使う言葉なのだろうと思いました。40年前の修学旅行のバスの運転手さんに、お礼を言いたい気持ちになってきました。そのつづら折りの中にあるのが中の湯温泉ですが、バス停から徒歩で登ってくるのも大変でしょう。

 結局、アカンダナ駐車場を出て、峠を降りて安房トンネルからの道路に合流するまでの40分間にすれ違ったクルマは乗用車2台だけでした。


  もう一度頭の中で整理してみます。修学旅行から41年。記憶をたどると、高山から上高地に至る間に大きな峠と、それより小さい峠と、ふたつのコブを越えたような気がする。大きいほうが平湯峠、小さいほうが安房峠です。しかし、標高でいうと平湯峠が1684m、安房峠が1780mと、小さい峠のほうが100mほど高いというのは変ではないか?それで帰宅後に、ノートに簡単な絵を書いて標高を書き込んでみました。Webサービスの地理院地図で標高を確認していきます。平湯峠への上りが始まるのは、高山市丹生川町町方辺りから。標高が628m。そこから徐々に高度を上げて平湯峠が1684m(地理院地図では地図上には1684mと書いてあるのに、標高を表示する欄では1686mと誤差が出ます)。平湯BC(バスセンター)が1256mくらい(大阪府と奈良県の間にある金剛山のてっぺんよりまだ100m以上高いところにBCがある!)。安房峠は1780mで、峠を下って上高地への分岐点となる中ノ湯交差点で1316m。つまり平湯峠を越えるのに高度を1056m上げなければならないのに、安房峠を越えるためには524mの高度差しかないということになります。そして464m沈み込んだら上高地への分岐点となる。今度はgoogleマップの力の借りて距離を測ってみます。丹生川町町方交差点から(トンネルではなく)平湯峠を経由して平湯BCまでの距離は30.5km。平湯BCから安房峠を経由して中ノ湯交差点までは15.6km。標高の問題ではなく標高差と道程で平湯峠のほうが大きい峠だと、当時の変な高校生は思ったんでしょうね。それに平湯峠は乗鞍スカイラインへの分岐点でもあり、休憩するように施設があったのでしょうが、安房峠には小屋のひとつもありません。そんなことがわかってどうするんだ?というようなことが訪ねてみて理解できました。やはり現地を訪ねてみることは値打ちがあります。

  さあ、ここからは国道158号線を松本方面に下っていきます。沢渡の駐車場街を過ぎ、奈川渡ダムの堰堤を渡って、風穴の里でちょっと休憩。観光バスの御一行さんはご近所の国のみなさんらしい。彼ら彼女らの喫煙率の高いこと。別な言い方をするならバス車内は禁煙ということでしょう。やっとこさの喫煙タイムというわけですね。どうぞごゆっくり。松本電鉄の新島々駅まで下りてくると、ほとんど平地です。視界も開け家も多くなってきます。あと10kmほどで長野自動車道の松本IC。陽のあるうちに諏訪湖まで移動しておきたい。梓川高校を過ぎたところのコスモ石油。9年前に給油したGSですが、今も営業していてうれしい。天気もとてもいい。秋の晴天、昨日まで雨だったはずですから、空気が洗われて遠くまでくっきりと見えます。道路が片側二車線になったころほぼ正面の山に鉄塔のようなものが何本も見えます。9年前に行った美ヶ原高原です。松本ICから長野道に入って諏訪方面へ走る。長野道が篠ノ井線を越えるころ正面の山に一本の塔が見るのところが高ボッチ高原。訪れるたびに少しずつ知っているところが増えていくのがうれしい。訪れるたびにその町になじんでいく気がします。頭の中を巡るBGMは、また『風見鶏』の中から「桃花源」。豊穣の季節の晴天にぴったりの曲です。
 岡谷ICで降りて、上諏訪に向かいます。急いでいた理由は上諏訪の立石公園に日没までに着きたいと思ったからです。

 

                                                                      (つづく)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 河童橋~徳澤~河童橋   ... | トップ | 諏訪湖~小坂田公園   そ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

PiTaPaより遠くへ」カテゴリの最新記事