ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

14年ぶりにオープンしたスキー場 峰山高原リゾート(1)

2018-12-21 19:04:03 | PiTaPaより遠くへ

 12月20日、セカンドシーズンのオープンした兵庫県のスキー場の話題です。

 昨年、14年ぶりにオープンしたスキー場として話題になりました。

 兵庫県の峰山高原にスキー場ができるという話を聞いたのは4年ほど前でしょうか。「なんで今頃?」聞き返したのを覚えています。欧米と違い、この国のスキー業界は若者の率が高いそうです。人口減、特に若者の人口減に加えて、若者たちの所得が増えないこともあり、またスキー以外に遊ぶことがたくさんあることも相まって、スキー人口は減少につぐ減少。今、休日にスキー場に行っても、リフト待ちなんてほとんどありません。経営難で閉鎖するスキー場の多いこと。『スキー四方山話』で「峰山高原リゾート」の前にオープンしたスキー場を探すと、04年シーズン(2003年冬~2004年春)にオープンした、「いぶきの里スキー場」(岡山県)、「明野ヶ丘スキー場」(北海道)、「サレガランド プラーナ」(愛媛県)が最後です。まさに14年間新しいスキー場はオープンしていないのです。サレガランド プラーナはすでに営業をしていない様子。その間、営業休止や廃業に至ったスキー場は数えきれません。「マキノスキー場」(滋賀県高島市 一回だけ、間違えて駐車場に入ってしまったことがある)も「ベルグ余呉スキー場」(滋賀県長浜市 家族で一度行ったことがある)も、名門「伊吹山スキー場」(滋賀県米原市 若い頃に一度連れて行ってもらったことがある)も、今はありません。

 そんな時代である2018シーズン、つまり1年前に新しいスキー場がオープンしました。なお、『スキー四方山話』の「ゲレンデヌーヴォー」には新潟県の佐渡市営平スキー場も18シーズンオープンと記されていますが、『さど観光ナビ』によれば、このスキー場は新規オープンではなく、リニューアルオープンのようです。

 今更中途半端なスキー場を作ってどうするんだと思うのは当然です。

 ところが、仕掛け人は、あの「マックアース」だというではありませんか。この会社はウィキペディアによれば、「ホテル、スキー場、ゴルフ場等リゾート施設の経営・経営受託を業務とする会社で、スキー場運営会社としては国内最大手」だそうです。会社のルーツは1961年にオープンしたゲレンデ食堂なのですが、10年ほど前にスキー場経営を始め、スキー場だけでも現在26か所を手掛けているということです。

 峰山高原にスキー場ができたらいいなと、無責任な夢物語で考えたことはありますが、「泡」もとうに消えてしまった2018シーズンになって、オープンを迎えようとは夢にも思いませんでした。

 人口が縮んでいくこの国に新規スキー場をオープンさせることに勝算はあるのか。地元の人に伺った話によると、こういうシナリオだそうです。かつてレジャーの延長上にあるスキー場に通った世代、ウォークマン(カセットですよ!)でユーミンを聴きながら夜行バスでスキー場に通った人たちが定年を迎え、また孫ができる。そんな人たちがこのスキー場のターゲット。彼ら彼女らが孫を連れてスキー場に戻ってくるのだそうです。そして彼ら彼女らに必要なのは、広大でバリエーションに富んだゲレンデでも、オシャレで快適なホテルでも良質な雪でもない。孫を連れて遊ぶために、近くてラクチンであることのほうが優先されるというわけです。

 具体的にはクルマの場合、中国道+播但道で神崎南ICを降りたら、約30分で現地、列車の場合播但線の特急「はまかぜ」を寺前で降りたら、タクシーで約25分(いずれもスキー場サイトによる数値)。寺前駅から神姫バスでも50分。阪神間からのアプローチが近くて便利というわけです。さらに、寺前駅近くにスキー客向けの無料駐車場が用意されていて、ここで神姫バスに乗り換えてスキー場に行けるというわけです。この仕組みには感心させられました。というのは、播州平野からこの寺前のある神河町辺りまでは厳冬期でもまず積雪はありません。峰山高原へ向かうスキーヤーが積雪で阻まれるとしたら、寺前から先の上小田というところから標高900mへ向かう急な登り道なのです。「孫持ち元ユーミンスキーヤー」がここでバスに乗り換えるなら、雪道の心配をすることなく、あるいは夏タイヤのままスキーに行けるのです。しかも、仮に日曜日に一人、クルマで来たスキーヤーがここからバスに乗り換えるとするなら、駐車場無料、バス代が往復で1000円。ゲレンデまで車で行ったとしたらゲレンデ近くの駐車料金1000円。同じ1000円ですから往復の燃料代分だけ安くつくことになります(平日の駐車料金は半額の500円ですが)。駅前近くの無料駐車場といっても過疎の山村の話。大事にとっておいても金を生むほどの土地ではありますまい。もとより雪道の心配をせずに来場できる仕組みに加え、休日の自家用車をゲレンデまでの一本道に集中させない、うまい仕組みが作られているわけです。

 リフト券の種類にも「孫持ち元ユーミンスキーヤー」をターゲットにしている仕組みが感じられます。まず休日、平日で料金が違う。入れ込みが休日に偏らない仕組みでしょうか。仕事をリタイヤしている「孫持ち…」の多いはず。安くて空いている平日に行こうかと思いますよね。さらに、シニア券なるものがあって、55歳以上がシニア券の対象。「じぃじ、ばぁば、安くしとくからお孫さんを連れてきてね。」というわけでしょう。リフト券をぐっと安く設定しても、孫連れなら財布の紐も緩むというもの。そんなことも戦略のうちでしょうか。

 素人が見ても、マックアースの巧みな戦略、そして勝算がチラチラ見えます。

 「峰山高原リゾートWHITE PEAK」  私も昨シーズン訪ねてみたのです。レポートしましょう。

 (つづく)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小坂田公園~伊那路   そ... | トップ | 14年ぶりにオープンしたスキ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

PiTaPaより遠くへ」カテゴリの最新記事