またもや前回のブログから20日がたちました。この間に勤務校では体育祭が行われ、1年生たちはとても元気に頑張りました。「先生、楽しかった!」という笑顔が何よりです。驚くくらい多くの保護者の方々においでいただけたこと、学校全体として大きなケガをする生徒がいなかったこと、今年はご近所からの苦情がなかったことなども喜びです。
さて、今回は連載企画「リアル学年主任による『宇宙よりも遠い場所』の学校現場的考察」はお休みして、6月8日に発表された平成30年度東京都公立学校教員採用候補者選考(31年度採用)の応募状況の分析です。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/press_release/2018/release20180608.html
平成最後の選考となる今年度の応募者総数は13,461人で昨年より1,804人減少し、応募倍率(採用見込数に対する応募者の割合)は、一昨年度(7.1倍)より大幅に下がった昨年(5.7倍)より、さらに大幅に下がって3.9倍となりました。校種別では、小学校全科(理科・英語コース含む)の応募者数は4,206人で、昨年度より311人(6.9%)減、応募倍率は2.7倍(昨年度3.6倍)、中高共通の応募者数は6,306人で、昨年度より1,136人(15.3%)減、応募倍率は5.0倍(昨年度9.7倍)、特別支援学校の応募者数は903人で、昨年度より82人(8.3%)減、応募倍率は4.8倍(昨年度5.5倍)です。
過去11年の全体倍率推移は、平成21年度採用6.4倍 平成22年度採用7.8倍 平成23年度採用8.1倍 平成24年度採用6.7倍、平成25年度採用6.7倍、平成26年度採用9.5倍、平成27年度採用6.2倍、平成28年度採用6.0倍、平成29年度採用7.1倍、平成30年度採用5.7倍ですので、3.9倍という今年度は記録的な低倍率です。あまりに低すぎ、いろいろな点で心配になるレベルです。民間企業の採用状況が(数字上は)非常に良く、空前の売り手市場であるからだと思われます。
昨年は「倍率が低いからといって油断は禁物。実力上位層の数はあまり変わらないかもしれない。」と書きましたが、それは今年も変えるつもりはありません。合格を目指している方々は低倍率に惑わされず、自分の実力を高めていってください。良い成果が得られることをお祈りしております。
(以下、2018.06.11 22:07追記)
と、一時は書いたのですが、この応募者大幅減および倍率大幅低下の原因は他にありました。平成29年(2017)6月22日に公表された「東京都公立学校教員採用候補者選考の改善策について(報告書)」の内容が今年度の選考に反映されたからです。これにより「第一次選考において、原則、全ての受験者に教職教養、専門教養及び論文」が課され、つまり社会人経験者も一次試験でこれまでの論文と適性検査に加え、教職教養と専門教養の試験を受けなくてはならなくなりました。
さらに社会人経験者の職務経験が昨年度までの「過去10年で常勤の職で継続3年以上あるいは通算5年以上」から、「平成30年3月31日までに通算して2年以上の勤務経験」&「勤務経験は常勤、非常勤(パート、アルバイト)であることを問いません」に変わりました。常勤で2年勤めたって「3年もたなかった」と言われるのに、2年以上どこかでアルバイトした経験があれば社会人経験者って(笑)。
これでは、教員免許を持つ優秀な社会人(ここでは民間企業勤務者や教員以外の公務員等の意味)が東京都の教員を目指さなくなりますね。8年前の私だったら、この条件でチャレンジしたかどうか非常に疑問です。試験勉強の負担の大きさや社会人経験の判断基準の緩さから考えて「割に合わない」と判断した可能性もあります。事実、応募者大幅減および倍率大幅低下という現実は、少なくとも今年受験を考えた方々は、今回の変更を「改善」ではなく「改悪」だと判断したことを示していると思います。
(以下、2018.06.11 22:15追記)
今回の変更は昨年から発表されており、本ブログの主旨から考え、もっと以前から話題にするべきでした。業務多忙、次男の大学受験、趣味のアニメで超傑作が誕生したことによるファン活動の楽しさ等に気を取られ、この件について取り上げられなかったことを反省しております。
(2018.06.12 03:27 「平成31年度採用の応募状況」より改題)
さて、今回は連載企画「リアル学年主任による『宇宙よりも遠い場所』の学校現場的考察」はお休みして、6月8日に発表された平成30年度東京都公立学校教員採用候補者選考(31年度採用)の応募状況の分析です。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/press_release/2018/release20180608.html
平成最後の選考となる今年度の応募者総数は13,461人で昨年より1,804人減少し、応募倍率(採用見込数に対する応募者の割合)は、一昨年度(7.1倍)より大幅に下がった昨年(5.7倍)より、さらに大幅に下がって3.9倍となりました。校種別では、小学校全科(理科・英語コース含む)の応募者数は4,206人で、昨年度より311人(6.9%)減、応募倍率は2.7倍(昨年度3.6倍)、中高共通の応募者数は6,306人で、昨年度より1,136人(15.3%)減、応募倍率は5.0倍(昨年度9.7倍)、特別支援学校の応募者数は903人で、昨年度より82人(8.3%)減、応募倍率は4.8倍(昨年度5.5倍)です。
過去11年の全体倍率推移は、平成21年度採用6.4倍 平成22年度採用7.8倍 平成23年度採用8.1倍 平成24年度採用6.7倍、平成25年度採用6.7倍、平成26年度採用9.5倍、平成27年度採用6.2倍、平成28年度採用6.0倍、平成29年度採用7.1倍、平成30年度採用5.7倍ですので、3.9倍という今年度は記録的な低倍率です。あまりに低すぎ、いろいろな点で心配になるレベルです。民間企業の採用状況が(数字上は)非常に良く、空前の売り手市場であるからだと思われます。
昨年は「倍率が低いからといって油断は禁物。実力上位層の数はあまり変わらないかもしれない。」と書きましたが、それは今年も変えるつもりはありません。合格を目指している方々は低倍率に惑わされず、自分の実力を高めていってください。良い成果が得られることをお祈りしております。
(以下、2018.06.11 22:07追記)
と、一時は書いたのですが、この応募者大幅減および倍率大幅低下の原因は他にありました。平成29年(2017)6月22日に公表された「東京都公立学校教員採用候補者選考の改善策について(報告書)」の内容が今年度の選考に反映されたからです。これにより「第一次選考において、原則、全ての受験者に教職教養、専門教養及び論文」が課され、つまり社会人経験者も一次試験でこれまでの論文と適性検査に加え、教職教養と専門教養の試験を受けなくてはならなくなりました。
さらに社会人経験者の職務経験が昨年度までの「過去10年で常勤の職で継続3年以上あるいは通算5年以上」から、「平成30年3月31日までに通算して2年以上の勤務経験」&「勤務経験は常勤、非常勤(パート、アルバイト)であることを問いません」に変わりました。常勤で2年勤めたって「3年もたなかった」と言われるのに、2年以上どこかでアルバイトした経験があれば社会人経験者って(笑)。
これでは、教員免許を持つ優秀な社会人(ここでは民間企業勤務者や教員以外の公務員等の意味)が東京都の教員を目指さなくなりますね。8年前の私だったら、この条件でチャレンジしたかどうか非常に疑問です。試験勉強の負担の大きさや社会人経験の判断基準の緩さから考えて「割に合わない」と判断した可能性もあります。事実、応募者大幅減および倍率大幅低下という現実は、少なくとも今年受験を考えた方々は、今回の変更を「改善」ではなく「改悪」だと判断したことを示していると思います。
(以下、2018.06.11 22:15追記)
今回の変更は昨年から発表されており、本ブログの主旨から考え、もっと以前から話題にするべきでした。業務多忙、次男の大学受験、趣味のアニメで超傑作が誕生したことによるファン活動の楽しさ等に気を取られ、この件について取り上げられなかったことを反省しております。
(2018.06.12 03:27 「平成31年度採用の応募状況」より改題)