「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ロシア軍がクピャンスク、チャシブ・ヤール、トレツク各方面で大きく前進<ウクライナ紛争2025・02・01

2025-02-01 08:22:35 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

航空万能論 2025.02.1
『ロシア軍が東部戦線で前進、ウクライナは国産武器の供給停止リスクに直面』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/as-russian-troops-advance-on-eastern-front-ukraine-risks-cuts-to-domestic-arms-supplies/

(1)ハルキウ州クピャンスク方面(略図の1枚目)
クピャンスク市街のオスキル川西岸へのロシア軍の渡河作戦は成功して、ロシア軍が全方面で大きく支配地を拡大しました。もう戦車や装甲車、大砲などの強力な火力も渡っていると思います。どこかに仮設の橋を建設しているでしょう。そうなると物資の補給が改善しますから、当然攻撃が活発化します。その結果であろうと思います。
これまでロシア軍は、クピャンスク市街をオスキル川の東岸から攻めて、攻めあぐねていました。まだ距離はありますが、今度はオスキル川西岸から南に攻め下ることが出来ます。ロシア軍の先頭位置からクピャンスク市街までは、目測4km程度しかありません。
一気にクピャンスク市街は、危機が高まりました。
クピャンスクは、ハルキウ州東部の要塞でロシア軍の進撃を防いできました。クピャンスクをロシア軍が制圧すると、ロシア軍はハルキウ州東部に自由に進撃できるようになります。

(2)チャシブ・ヤール(Chasiv Yar)方面(略図の4枚目)
北側の主要な(広い)市街地はロシア軍が、ほぼ制圧しました。南の小さな市街地との間にある森林地帯をかなり進撃しています。同時に南の幹線道路T-0504方面からも進撃しています。チャシブ・ヤール全域を制圧するのは、そう遠くないと思います。幹線道路T-0504方面を西に進撃した8km位先が、コンスタンチノフカ(Костянтинівка)です。

(3)トレツク(Торецьк)方面(略図の5枚目)
トレツクの市街戦は、ほぼ終わっています。市内に残っているウクライナ軍が散発的な抵抗を試みているのだろうと思います。ロシア軍は西にあるウクライナ軍の小さな拠点のベトリフカ、シュチェルビニフカなどを攻撃し始めました。市街地での抵抗が終われば、周辺の小さな拠点は順次制圧されると思います。
トレツクからも幹線道路T-0516を北上すれば、コンスタンチノフカ(Костянтинівка)があります。
北部ドネツクの玄関口であるコンスタンチノフカ(Костянтинівка)攻撃が、やがて始まります。

(4)バフムト北部方面(略図の3枚目)
これまで、この方面ではロシア軍は余り活発ではありませんでした。最近になり進撃を始めました。バフムト北部の要塞が、シヴェルシクです。目標は、スラビャンスク(Слов'янськ)です。

(5)と言うように、かなり広範囲でロシア軍が積極的に攻撃して大きく前進しています。ロシア軍の総数が増えているような話は聞きませんので、ウクライナ軍の兵力不足が一段と深刻になり、ドローンなどの武器の不足がロシア軍進撃の理由だろうと思います。また、ポクロウシクへの西からの補給もかなり制限されているのも、大きく影響していると思います。ドネツク州全体が補給不足に陥っている可能性があります。

西のドニプロ市からポクロウシクへの補給が大幅に制限されてしまった上に、ポクロウシクからコンスタンチノフカ(Костянтинівка)に通じるドネツク州の大動脈のT-504もロシア軍の射撃管制下にあり、こちらも補給は難しいと思います。補給不足がダブルで影響していると思います。
ドネツク北部のウクライナ軍は、補給の意味で非常に苦しくなっていると思います。


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


ロシア軍がハルキウ州ドヴォリチナを制圧、クルスク州ニコラエヴォ・ダリノを奪還<ウクライナ紛争2025・02・01

2025-02-01 08:19:36 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

TASS通信 1月31日 21:04
Russian forces liberate five communities in Kharkov Region, Donbass area over week
(日本語訳)ロシア軍、1週間でドンバス地域のハリコフ州にある5つのコミュニティを解放
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最近、あまり書かないのは情報元の航空万能論の記事の更新がないからです。
そこで今日は、ロシア国防省の発表から前線の移動を書きます。

航空万能論 2025.01.24
ウクライナは領土を毎日失い続け、ヴェリカノボシルカの状況も手遅れ
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukraine-is-losing-territory-every-day-and-the-situation-in-velika-novosylka-is-too-late/

この記事の戦況略図にあるハルキス州ドヴォリチナ(Dvorichna)のことだろうと思います。ロシアの表記はロシア語なのでウクライナ支持の立場の人とは違うこともあります。
TASSの表記「ドゥヴレチナヤDvurechnaya」をロシア軍が制圧しました。
これまでの戦況図では、南の矢印方向まで制圧していますから、全域を制圧したのだろうと思います。
完全にロシア軍が、オスキル川西岸に根拠地を築きました。
幹線道路P-79を南に下るクピャンスク市街への進撃路が開けました。

クルスク州
TASS表記ノニコラエヴォ=ダリイノNikolayevo-Daryinoをロシア軍が制圧しました
googleマップのNikolaevo-Dar'inoニコラエヴォ・ダリノだろうと思います
航空万能論のこの記事に略図があります。
https://grandfleet.info/wp-content/uploads/2025/01/Korenevo_Front_S_2025_0123.webp
ウクライナ軍の占領地の西の端でスームイ州との境界に近いところです。

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1月30日 20:46
記事タイトル
【Heavy losses, declining recruitment, and lower draft age: Ukraine's mobilization crisis】
(日本語訳)大きな損失、募集数の減少、徴兵年齢の引き下げ:ウクライナの動員危機
<一部引用>
ウクライナの損失(ロシア国防省発表)
- 過去6か月間、ウクライナは毎月約5万人の兵士を失っている。国防省によると、2025年1月には5万1960人、2024年12月には4万8470人、2024年11月には6万805人の兵士が失われた。
採用人数
- ロシア国防省は、ウクライナ全土の地域募集・社会支援センターの「活性化」を考慮しても、ウクライナの訓練センターの新兵数はここ半年ほど、月3万人にやっと達していると述べた。

- ウクライナの新兵は適切な訓練を受けずに戦闘の最前線に送られており、ウクライナ軍の損失を増やすだけだと付け加えた。

ウクライナの脱走
- 公式情報によると、約10万人のウクライナ軍人が部隊を離脱して逃亡したとロシア国防省が発表した

<引用終わり>

特にイギリス系のメデイアが、ロシア軍の損失の発表に熱心です。しかし、現実にはウクライナ軍の損失の方が、ロシア国防省の発表によると遥かに多いです。確かにロシア軍も多くの死傷者を出しているでしょう。戦争ですから双方に人的消耗はあります。問題は、その消耗に対してロシア軍は補充が出来ています。つまり戦場の総数は、同じです。

一方でウクライナ軍は、消耗が多いうえに新規の動員が上手くいっていません。更には、ないような訓練(1か月程度)で戦場に放り込みます。だから片っ端から死傷していきます。当然、逃亡兵も多いです。クルスク州に送られている部隊は犯罪が多く軍紀も乱れています。

単純計算してください。ロシア国防省の発表によれば過去6か月で30万人のウクライナ兵が死傷しています。ウクライナ軍が予定通り1か月3万人の動員が出来ていても、差し引き12万人が半年で減少しました。ここに万単位の逃亡兵が加算されます。

時間がたつほど相対的にロシア軍が増えていきます。ロシア軍は、約60万人程度ウクライナ領にいると推測されています。
ウクライナ側は前線にいる兵士は、30万人もいないと思います。半年して更に15万人減少したら、どうなります❓
新兵の補充が出来なければ、更に少なくなります。

ゼレンスキーは相変わらず寝言のようなことを言っています。
ゼレンスキーが追放されるのが先か❓
ウクライナ軍が崩壊するのが先か❓

航空万能論
2025.01.27
ブダノフ中将、早く交渉を開始しないとウクライナ自体の存在が脅かされる
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/lieutenant-general-budanov-ukraines-very-existence-is-threatened-if-negotiations-do-not-begin-soon/

ウクライナ国防省情報総局のブダノフ中将が、このように語っています。
『最高議会の指導者らに「夏までに交渉が始まらなければウクライナ自体の存在が脅かされるかもしれない」と警告し、出来るだけ早く交渉を始めるよう促した。』
これは、単なる事実を発言したに過ぎません。
私が、上に書いた数字を見れば誰でも分るでしょう❓


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27