解放した村にウクライナの旗 東部ドネツク州
2023.08.17 Thu posted at 12:34 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35207917.html
この記事だけでは、単にドネツク州ウロジャイネUrozhaineをウクライナ軍が奪還したことしか分かりません。
ところが?
集落奪還はゼレンスキーが待ちに待ったブレイクスルー、ウクライナは内部崩壊寸前だった
2023年8月17日(木)20時08分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/post-102439_2.php
この記事を読むとかなり意味が違います。
大分前にウクライナ軍は、この北側のMakarivkaまで進出していました。
その南のスタロマイオルスケ村Staromaiors'keまで進出したのが約2週間前とのことです。地図上で距離を概算すると1km少々です。たったこれだけの距離を進出するのに1か月以上かかっていると思います。
いかに南部戦線が大変な戦場か分かります。地雷の海と張り巡らされて塹壕を奪いながら進むのは、これほどに大変だと言うことです。
今回奪還したのはスタロマイオルスケ村Staromaiors'keの東側1km弱の位置にあるウロジャイネUrozhaineです。
この村がこの地域のロシア軍の補給網の中心であったようです。ここから補給をしていた近隣のエリアは補給を受けることが困難になります。
そのためロシア軍は、この南4km位の位置にある、スタロムリニフカStaromlynivkaまで移動を余儀なくされるようです。そしてそこが第2防御線であるようです。
やっとですが、ウクライナ軍はこの方面の第1防御ラインを突破することに成功したようです。
そしてここまで進出すると、アゾフ海側の湾岸都市のマリウポリМаріупольやベルジャンシクБердянськまで約80kmとなり、両拠点都市がハイマース(射程80km)の射程に入ってきます。
ロシア軍の戦略に詳しいイタリア・ボローニャ大学の研究員ニコロ・ファソラによるとウロジャイノエ村の奪還は・・
「ロシア軍の防御線を次々に打ち破る突破口となる」
「ロシアの最前線と防御陣地の弱点を探るウクライナ軍の地ならし作戦が成功し、本格的に攻勢をかけるべき地点が分かった、ということだ」
「ウクライナ軍はロシア軍の防御の弱点を突いて、さらに南のマリウポリへと進み、ロシア軍がこの1年間に占領したウクライナ南東部を真っ二つに分断しようとするだろう」
「ロシア軍の陣地のより奥深くまで攻撃できるようになることは確かだ」
と言うことだそうです。
遅々として進まなかった南ドネツク戦線は、ウクライナ軍がロシア軍の第1防衛ラインを突破することが出来たので、進撃の目途が立ちつつあるようです。
ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/