現在のウクライナ紛争の直接のきっかけは、2014年ウクライナ民族主義者の引き起こしたクーデターです。
西側では、キレイに脚色されています。
尊厳の革命(20214年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8A%E5%8E%B3%E3%81%AE%E9%9D%A9%E5%91%BD
言葉は美しいですが、実際にはアメリカが裏からウクライナ(過激)民族主義者や過激右翼勢力を扇動して起こさせた暴動に近いものです。それが拡大して過激化し当時のヤヌコーヴィチ政権を追放しました。
※参考・記述から
『アメリカとの関わり
2015年1月末、CNNのインタビューにおいて、当時のバラク・オバマ米大統領が、ウクライナでのヤヌコビッチ大統領の追放クーデターに米国が関与していたことを認めた。』
ウクライナには選挙制度があります。選挙ではなく集団の暴力を用いて政府を転覆したのですから、クーデター政権に法律的な正当性は、ありません。ウクライナ国内法では非合法です。
それに対しロシアは即座にカウンターに出ました。
ロシアのクリミア侵攻2014年3月1日
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%82%A2%E4%BE%B5%E6%94%BB
ドンバス戦争2014年4月6日~
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%B9%E6%88%A6%E4%BA%89
クーデター政権に承服できない親ロシア派住民が武装蜂起してキーウ政権との間で内戦が勃発しました。
法律的に見るならクーデター政権にも独立派武装勢力にも正当性はありません。どちらも非合法です。
そもそもウクライナ紛争には、この非合法性は常に付きまといます。
最終的に紛争は拗れて2022年2月のロシア軍の軍事侵攻が起きました。一方的にロシア軍が侵攻したとウクライナと西側は主張していますが、東部独立派を武力で鎮圧しようとしたウクライナ政府が侵攻を招き寄せたと言えます。
少なくとも2021年12月に国境にロシア軍が集結した後、ロシア側とウクライナ・アメリカの間で交渉がもたれています。ここで妥協が成立しなかったので、結局ロシア軍の侵攻が始まりました。
侵攻後の2022年3月~4月に、停戦交渉がもたれます。交渉が成立する余地はあったようです。結局イギリスのボリス・ジョンソン(当時首相)がキーウを電撃訪問してこの交渉を潰してしまいました。
その後ゼレンスキー氏は徹底抗戦を決意し、戦争は今も続いています。
このような経緯を見るなら要はゼレンスキー氏は問題の解決に戦争を選択したのであり、既にどちらが善か悪かの問題ではなくなっています。
戦争で解決する以上は、勝ったほうが正義です。
勝敗が決着するまでは、どちらも灰色です。
ウクライナが「真っ白だ!」と主張するウクライナと西側は、この意味で嘘をついています。ウクライナへの支持が第三世界など西側以外の国々で得られないのは、これが理由です。少なくとも戦争の当事国以外は、戦争に関与せず中立を守るのが原則だからです。
これが、ウクライナ紛争のごく大雑把な経緯です。
次にウクライナの実像です。
現在のウクライナ政府が、ウクライナ(過激)民族主義者や過激右翼勢力がアメリカの支援を受けて武力(実力)で政権を奪取した経緯を考えるとこの時点で軍事色と独裁性の強い政権が誕生したと言えます。
それ以後、大統領は直後と2019年の選挙で選ばれた現在のゼレンスキー氏の2人しかいません。
ゼレンスキー氏の対立候補は、前大統領のペトロ・ポロシェンコです。
過激民族主義系の候補しかいませんでした。
政治経験の一切ないゼレンスキー氏をウクライナ国民が選んだのは、内戦状態を終わらせて国内の安定と生活の向上を願った結果だと思います。過激民族主義による弾圧的な政治も止めて欲しかったでしょうね。
しかしゼレンスキー氏は選挙公約は全く実現できず、2021年の時点では極端な低支持率にあえいでいました。ロシアに対し強硬姿勢に転じ、東部独立派に対する武力鎮圧の姿勢は支持率回復のためであった可能性が大きいと思います。
それがロシアの軍事侵攻を招き寄せ戦争継続を決断した後は、戒厳令を利用してゼンレンスキー独裁政権になりました。戒厳令が続く限り選挙は行われないからです。法律的にゼレンスキー氏を大統領の座から追放する手段はありません。だから現在のウクライナ政府は、ほぼ軍事独裁政権と言うべき性質があります。
ウクライナ国内からは、もうクーデターを起こす以外、政治的な変化を起こすことが出来ません。
ゼレンスキー氏にロシアとの戦争を止める気がない以上、戦争はウクライナが軍事的に敗北するまで続くでしょう。
ゼレンスキー氏の考えは、ロシアとの戦争に勝つまで=「ウクライナ領を全部奪還してロシア軍を追い出すまで」は、戦争を止める気はないようです。
ザルジニー総司令官更迭からウクライナの国内事情もポロポロと少しですが出始めました。それまでは、情報統制され知られていなかった事です。
ウクライナ軍の呆れるばかりの兵力配置の問題などは、その最たるものかもしれません。70万人の兵力を後方に隠していました。信じられませんが、戦争がウクライナ不利の傾向が出ても隠したままでした。ザルジニー総司令官は40~50万人の追加動員を求めていました。
呆れてものが言えません。
他の将軍など幹部クラスにも問題がありすぎます。
その内容を一部書いている記事
2024.02.12
『危機的なアウディーイウカ、ウクライナ軍は夏に何も準備してこなかった』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/audi-ivka-in-crisis-the-ukrainian-military-has-not-prepared-anything-in-the-summer/
簡単に言うとウクライナ軍の参謀本部が戦争のやり方を全然知らない・と言う情けない実態があります。
参謀本部がそうであるなら方面軍指揮官クラスの将軍も大体同じです。
その意味では、前任のザルジニー氏もシルシキー総司令官も全く同じです。
将軍と言う肩書はありますが、普通のウクライナ程度の国の軍隊を運営・管理する教育を全然受けていません。そのような部門は、以前は旧・ソ連軍にありました。今50代の将軍はその当時、20代です。
(ウクライナ独立ー1991年)
参謀本部や大部隊を指揮するような教育を受けた将官以上の幹部がいないと言うことです。
だから大隊程度の部隊指揮は出来ても旅団が複数軍事行動をするような大規模作戦を指揮できる将軍はいません。もっと酷いことに、50万100万の大軍団を運営・管理する能力を持つ軍人はいません。
ウクライナ政府は、ロシア軍の無能や愚かさを散々嘲笑して馬鹿にしてきました。
しかし実際に「無能で愚かであったのは、ウクライナ軍であった」と言うウクライナ国民にとっては、泣きたくなるような情けない現実があります。
軍の幹部がそんな調子ですから、2023年の反撃作戦は全部頓挫するか失敗に終わっています。それどころかウクライナ軍全体の管理も、前線での適切な指揮も出来ていません。だから東部戦線の各戦場では、ウクライナ軍劣勢の戦いが続いています。
これは砲弾がどうの武器がどうの・の問題ではありません。
戦争を全体としてどうやって維持・管理・運営するかの能力の問題です。
ザルジニー氏の外部への発言を聞くと言葉はあります。軍学の教科書を読んで勉強はしたのでしょうね❓
しかし総論はあっても各論はありません。
つまり実際に必要な中身がないから何もできないと言うわけです。
他の将軍も大体、似たり寄ったりだと思います。
そして軍事独裁的傾向の強い政権や社会では、物事が硬直化します。工夫や改善や改革は出てきにくい社会全体の精神風土があります。要は、失敗から学ぶことが出来ません。激戦の戦場を見ると同じ失敗を繰り返しています。毎回、同じように間違えて同じように負けます。
何だか❓昔、聞いた話に似ていると思いませんか❓
日中戦争から太平洋戦争に至った当時の大日本帝国です。そして戦争の過程も徐々に太平洋戦争に似てきました。
今後は、大体似たような経過をたどり似たような結果に終わると思います。
公平に見てもウクライナには戦争に勝てる要素は見当たりません。精神論で戦意を高揚したところで、戦争には勝てません。
アウデイーイウカの戦場を見ても、負けつつあるのに何もせず放置しています。参謀本部は責任逃れをしているのでしょうね❓
そして現地の兵士は大損失を出すか降伏するか、撤退するか・バフムトと同じようになるでしょうね❓
※こうして考えてくると歴史は、勝者の都合に合わせて創られ記述されます。2023年までの歴史はアメリカが意図した通りになっています。
2024年以降の歴史は、ウクライナ紛争の勝者が記述することになるような気がします。
例えば❓
「アラブの春」
実態は❓
「アラブの破壊と惨殺と大混乱」
随分、違うでしょう❓
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27