「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

(アフリカ)ニジュールの革命政権VSフランス政府<2023年9月

2023-09-02 12:46:55 | アフリカと中東

ニジェール軍事政権、警察にフランス大使追放を指示
2023.09.01 Fri posted at 08:02 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208527.html

さて、革命政権とフランス政府の摩擦は、かなり険悪になりつつあります。フランスが強硬なのは、ニジェールにウラン資源利権を持っておりこれを確保したいためだと思われます。
昔から、ウラン資源利権をめぐってフランスには黒い噂は、ありました。それについては、今回パス。

フランスは、旧植民地の国々にフランス軍を派兵している例は、かなりあります。他でクーデターが起きた国では、結局フランス軍は追放されています。

二ジュールには最大1500人のフランス兵が駐留しているようです。それを背景にフランスは、革命政権を認めずフランス大使の退去命令に応じていません。いよいよ、革命政権側は強硬手段に出ようとしています。

事態が悪化すれば、フランスの現地軍と二ジュール軍の間で戦闘が起きる恐れもあります。それを覚悟のうえで革命政権は、フランス大使の強制排除をしようとしています。

そして革命政権が、排除しようとしているのはフランス大使だけです。他の国には、そのような要請はしていないようです。

余程、フランスは二ジュールから恨みを買っているようです。長年のフランスの二ジュールに対する行いの結果と言えるでしょう。恨みが大きいと言うことは、かなり何かをやってきたと言うことでしょうね?
少なくとも、そう疑われても仕方がないと思います。

ここ数年で旧フランスの植民地であった国々で軍事クーデターが多発しています。そして全部の国が、反フランス的な外交を行います。

クーデターが頻発している大きな理由は、イスラム過激主義者が勢力を伸長しており、それに対して打倒された政権が有効な手立てを打てないことにあります。特にフランスは、軍隊まで派遣していながらほとんどイスラム過激主義者が勢力の浸透に対して何ら役に立ちませんでした。

だから、それらの国々はフランスを追放してイスラム過激主義者との戦いを援助してくれる勢力を頼りました。それが、ワグネル(=ロシア)です。

クーデターを起こして軍事独裁政権が出来た国々は、イスラム過激主義者との戦いを遂行するためにやむを得ずそうした側面が強いと言えます。もしフランス軍が、ワグネルと同じようにイスラム過激主義者と戦えば、少なくとも革命も起きなかったしフランスが追放される事態も避けられたと思います。

軍事クーデターで政権交代を起こした国々では、イスラム過激主義者との戦いは、その国の存亡をかけた戦いになりつつあります。それほどイスラム過激主義者の脅威が深刻だと言うことです。

シリアイラクで猛威を振るったイスラム過激主義者が、今アフリカに入り込み勢力を拡大しつつあります。イスラム過激主義者のシリアやイラクでの残虐行為を見れば、アフリカで何をやっているのか容易に分かると思います。

ワグネルの残虐行為は非難されますが、その原因であるイスラム過激主義者のもっと酷い残虐行為は、ほぼ無視され国際社会は無関心です。

シリアやイラクでは、欧米諸国やロシアとイランが関与して、やっとイスラム過激主義者を駆逐しました。それと同じ勢力を、貧しく弱小なアフリカの国が単独で対抗できるはずがありません。

ワグネル(=ロシア)が、それらの国々に浸透できたのは、それが一番大きな理由です。欧米諸国がイスラム過激主義者との戦いを支援すれば、ロシアの勢力が浸透することは、なかったと思います。

欧米諸国は自分たちの怠慢ないし不作為を棚に上げて、クーデターを起こした国々やロシアを批判します。

だから、欧米諸国は嫌われますし中でもフランスは憎悪に近い感情を持たれています。

このような事情を知ったうえで、旧フランスの植民地であった国々で軍事クーデターが頻発したことを考えるべきでしょう。

全ての関係者に正義は、ありません。より悪くなく見えるのは、このように考えるとロシアであることになります。アフリカ諸国が意外にもロシアに対して悪い感情を持っていない理由は、このような点にあります。欧米諸国、特にフランスはかなりの???な事を、これまでアフリカ諸国にしてきた事が疑われます。

周辺諸国の反応は・・・
隣国のベナンやブルキナファソの国民からもニジェールの軍事政権に対する支持を表明する動きが出ている。
またブルキナファソとマリの軍事政権はニジェールの軍事政権の強力な後ろ盾となっており、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が軍事介入を実行に移すならニジェールを軍事的に支援すると約束している。

西アフリカ諸国経済共同体
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E8%AB%B8%E5%9B%BD%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%85%B1%E5%90%8C%E4%BD%93
西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が軍事介入をしたならば、多国籍間紛争さえ起きかねない状況です。
15か国が参加していますが・・
現在このうちのブルキナファソ ・マリ・ギニア・ニジェール が資格停止中で、ブルキナファソとマリはニジェールを軍事的に支援する事を決定しています。

『フランス大使、ニジェール離れず 軍事政権の出国命令に従わず』
2023.08.30 Wed posted at 13:38 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208430.html

更には、ガボンでもクーデターが起きました。
『ガボン、軍関係者がクーデター宣言 大統領は自宅軟禁』
2023.08.31 Thu posted at 11:34 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208478.html

地図上で軍事クーデターの起きた国々は見るならば・・
マリ・ニジュール・ブルキナファソは隣国です。

クーデターの起きたガボンは、中央アフリカやコンゴと隣接しています。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が軍事介入を行うとすれば、ナイジェリアから行うしかありません。他の陸路がないからです。マリ・ニジュール・ブルキナファソ連合軍とナイジェリアが戦うような構図になると思います。完全に多国籍間の局地戦になると思います。

たった1500人のフランス兵でどうなるものでもありません。フランスの火遊びは、このような局地戦を引き起こすかもしれません。

サハラ砂漠から流入してきたイスラム過激主義者を放置し何の対策も取らなかったフランスと欧米諸国の無責任が、今の状況を招いたと言えます。マリとニジュールは、最もイスラム過激主義者の侵略を受けている国です。



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